ジャンボ! 今回もリクエストボックスから! けっこう具体的な質問なので要約コピペしておくね。
「アフリカでは野生動物を道端で売っている人達がいると聞きました。ブッシュミートと言うそうです。そこでチャオスさんに質問です。
身近なところでブッシュミートは買えるのか。買えるならどんな種類があって何が人気か……などなど」
……てな感じ。ブッシュミートを知っているとは通だなぁ。それでは、オレの知る限りでのケニアにおけるブッシュミートについてをお教えしよう。
・ブッシュミートとは
まず大前提として、ブッシュミートってのは「野生の動物を食用にすること」みたいな感じで、野生動物食とも表現される。感染症の原因とされることもあって問題視もされている。詳しくは各自ググってほしい。
さて、ケニアにおいてのブッシュミートだが……まずは昔の話をしておこう。
・具体的な狩りの例
かつてのケニアでは、若者から成人まで、だいたい20人くらいの人間(主に男)がグループを作り、野生の動物を狩りに行ったりしていた。彼らが狙うのはカモシカ、ガゼル、そしてインパラだった。
狩りはいつも日曜日に行われていた。早朝から夕方まで、太陽が出ているうちに。
役割分担もしっかりしていた。青年や成人は動物を狩る役。そして子供たちは動物を運ぶ役だった。狩りの流れは、例えばこうだ。
まずは野生の動物を殺す。そしたらできるだけ早めにさばく。まずやることは、胃を取り除くことだ。ちなみに、その胃も、新鮮なうちに、その場で食べる。そして少し軽くなった動物を置き場に運んで……の繰り返し。
狩りが終わると、彼らは肉をシェアし始める。狩りの時に動物を殺す役割をした者は、とりわけ重労働でもあるので、大きな肉が与えられた。動物を運ぶ役の少年たちには、あまった肉が分け与えられた。
これがケニアにおけるブッシュミートの基本的な情報なのだが、今、ケニア政府は野生動物の狩猟を禁止しているので、ブッシュミート自体も禁止となった。
・今現在におけるケニアのブッシュミート
だが、隠れて狩りをしている人も、ごくわずかだが存在する。野生の動物を殺して、肉屋に売りに行く人もたまにいるらしい。
で、今現代における上記の狩りでは、カモシカ、ガゼル、インパラを狙うのではなく、ロバを狙うのだという。なぜなら最も売れるからだ。
ロバの肉ってな、牛の肉よりも赤いんだ。精肉店で吊るされているのを見比べてみると、すぐにわかる。また、ロバ肉は牛肉よりも脂肪が少ない。
だが、一つだけ難点がある。それは、食べた時に「歯にくっつきやすい」こと。問題点はそれだけだな。
ちなみにオレは、カバ、バッファロー、ワニ、レイヨウ(羚羊 / アンテロープ)、そしてロバを食べたことがあるが、カバとバッファローはとても甘い。
いずれにしても、今現在、ケニアでブッシュミートは禁止になっているので、質問の答えとしては「買えない」って感じかな。長くなったので、今回はこのへんで。いつの日か、ぜひともケニアに遊びにきてね。クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.