かつ丼と言えば卵とじ……そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。だが、ここ最近、ブームになり始めているのが「卵とじない系かつ丼」である。卵ととんかつが別になっており、かつ丼なのにサクサク感を残しているその味。かつ丼のジレンマへの1つの答えと言える。
これは2023年来るぞ! ひと口食べて完全に虜になってしまった私(中澤)は、毎日とじないかつ丼を探しては食べるようになったのだが、「とじないカツ丼」や「焼きカツ丼」で検索してもヒットしない店があることに気づいた。
・カツカレー屋『いっぺこっぺ新橋店』の檍のかつ丼(1200円)
『いっぺこっぺ新橋店』もその1つ。以前の記事でご紹介しているとんかつ檍(あおき)の姉妹ブランド『いっぺこっぺ』。基本はカツカレー屋だが、新橋店のメニューにはかつ丼がある。
カレーに負けない強烈な豚の旨みがあるこの店のとんかつ。あのとんかつでかつ丼なんてウマイに決まってるだろ。そこで普通にかつ丼を食べに新橋店に行ってみたところ……
とじてない。
卵の台座に鎮座するとんかつ。見るからにサクサクのとんかつはどこか堂々として見えた。食べてみたところ、口の中にじゅわ~っと広がる豚の味。コレコレ! これがいっぺこっぺのとんかつよ!
・検索でヒットしない理由
しかし、なぜ検索に引っかからなかったのか? その理由はメニュー名にある。実はこのメニュー、名前が「檍のかつ丼(後のせ)」なのだ。
「とじないカツ丼」でも「焼きカツ丼」でもないのでググってもヒットしなかったというわけ。言われてみれば、とんかつ下は卵丼になっているため、「とじない」も「焼き」もちょっと違うのかもしれない。「後のせ」が最適である。
・塩もポイント
また、とんかつの上に何もかかっていないのはこの店においては正解だ。なぜなら、この店のとんかつは塩で食べるとクソウマイから。「ヒマラヤ岩塩ナマック」「ヒマラヤピンク」「ヒマラヤホワイト」とこだわりの塩で、豚肉が120%の力を発揮するのである。個人的なオススメはヒマラヤピンクだ。
ところで、メニューに(後のせ)とついていることでも分かると思うが、この店には後のせじゃないかつ丼もある。ゆえに、従来のかつ丼と選択が可能なのも良いところ。私は従来のかつ丼も好きなのでまた来たくなった。
・卵とじない系かつ丼の深海
とは言え、来たら来たでまた後のせを食べてしまいそうである。それほどにウマかった『いっぺこっぺ新橋店』の「かつ丼(後のせ)」。フラッと入れて回転の早いチェーン店でこの味は素晴らしい。
今日、卵とじない系かつ丼には様々な呼び名がある。シンプルな検索では見つけにくいその深淵なる部分も私が心惹かれるポイントだ。この海はどこに繋がっているのか? サーチライトの光はまだ照らされたばかり。
・今回紹介した店舗の情報
店名 いっぺこっぺ新橋店
住所 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 1F
営業時間 11:00〜20:00
定休日 日曜日
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.