空中で電源が切れたら…やっぱり終わり?
飛行中にドアが吹っ飛んでいってしまったり、エンジンが火を吹いたり、最近飛行機の安全性についてのニュースをよく耳にしますよね。
例えば、飛行機の電源が切れたりしたらどうなるのでしょうか? もちろんこんなこと考えたくはないんですが、そんなことってあるのか知りたいですよね。
いいえ、補助装置があります
機体の翼についているエンジンは、離陸に必要な推力を生み出し、また地上では尾部にあるジェネレーターが電力を供給するだけでなく、航空機には非常時に展開できる第3のエネルギー生成システムがあります。
その装置はRAT(Ram Air Turbine:ラムエア・タービン)というニックネームで呼ばれています。
これは機体から出して使う小型の風力原動機で、電力が必要な非常時に展開して使うことが可能。Simply Flyingはその補助装置について以下のように説明しています。
飛行機のラムエア・タービンは、電力が喪失した場合に展開される小さな補助プロペラです。
飛行機が飛行する際、その上を通過する風流から発電し、タービンを回転させることで機能します。タービンは発電機や油圧ポンプに接続できるので、飛行機の電気または制御システムのどちらかを駆動できるのです。このデバイスは通常、飛行機の翼や胴体のコンパートメントに格納されています。
ラムエア・タービンが生成する電力量は、使用時の飛行機の速度によって変わってきます。飛行機の速度が早いほど、ラムエア・タービンが生成する電力も増加します。
ラムエア・タービンは緊急時でのみ使われるため、存在を知っている人は少ないですが、能力はかなり優れており、これまでラムエア・タービンは1700人以上の命を救ってきています。
実際に起こった絶体絶命の危機で…
ラムエア・タービンの記憶に残る素晴らしい働きの例として挙げられるのが、1983年にモントリオールとエドモントンの間で燃料切れになったエアカナダのフライト。
この間、ラムエア・タービンが飛行機の油圧ポンプを稼働させ続けたおかげで、操縦が可能な状態を維持。その結果、パイロットは滑空しながら機体を制御して無事着陸することができたのです。
こんなバックアップ装置があったとは知らなかった人も多いのでは? まだまだ飛行機の知らないトリビア、ありそうですね。もし「へ〜」というトリビアがあれば、ぜひ教えてください。