イーロン・マスク氏「もう電話番号は要らない。そう、Xならね」

イーロンが言うなら間違いない!って、みんな思うかなぁ。

X(旧Twitter)のイーロン・マスクCEOが、Xでの音声・動画通話をみんなに使わせようと躍起ですが、世間の反応は薄めです。そこで彼は今、自分はもう普通の電話番号使わない、だってXだけで間に合うから、と喧伝しています。

もう電話番号使わない宣言

「数カ月以内に、私は電話番号を停止し、テキストや音声/ビデオ通話にはXだけを使う」とマスク氏はXにポストしました。

仮にマスク氏がその宣言を実行したら、彼に電話したい人は最低月8ドル(日本では980円)、X Premiumのサブスクリプションとして払わなきゃいけません。Xでは通話の受信は誰でも可能ですが、発信するにはPremiumユーザーじゃなきゃいけないんです。

またデフォルトでは、相互フォローしてないと通話できません。フォローしてない人に電話をかけるには、その相手から少なくとも1回DMをもらっている必要があります。なお音声/ビデオ通話は、2023年10月から可能になっています

さらに、電話番号を使わずにXだけでなんとかするのは、セキュリティ上の理由で完全には不可能です。アプリリサーチャーのNima Owji氏は、2段階認証などで使われるSMSの認証コードは、我々のオンライン生活にとってまだまだ重要だと言います。WhatsAppなどのプラットフォームでも、アカウント作成時の確認コード送信にSMSを使っています。

XもSMS使ってるけど…?

当のX自体が、ユーザー本人確認のためにSMSでコード送信しています。ただ本人確認機能があるのはPremiumユーザーだけで、Xの無料ユーザーの2段階認証には、認証アプリやセキュリティキーが使えます。SIMスワッピングなどの手法で電話番号を盗むことも可能なので、専門家はSMSより認証アプリやセキュリティキーのほうが安全だと言ってはいます。

ともあれ、専門家がSMSでの2段階認証を勧めないからって、みんながその通り動くわけじゃありません。銀行とか他のいろんなサービスでも、SMSでしか2段階認証できないところがたくさんあります。

うーん、Xで通話しない理由って、そもそもPremiumじゃないからかけられないしってこともありますが、LINEとかFaceTimeみたいにデファクトで使ってるサービスがもうあるってことと、何かと拡散するXで1対1の通話して大丈夫なの?っていうモヤっとした不安もあると思うのですよね。そしてその不安感は、こういうイーロンの飛ばし気味の発信で軽減されるというよりは、わりと増幅されていくような…。

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