月で暮らすには何がいる? 米政府が月面経済構築のための10カ年研究スタート

無人島…ではなく、月に1つだけ持っていけるとしたら何にしますか?

インドのチャンロドラヤーン3号が月面着陸に成功し、今、月は再び話題の星となっています。アポロ時代とは異なり、地球とともにサステナブルに反映していくための星として注目されています。

月のインフラをどう作る?

月のインフラを構築するための指標となるよう、国防高等研究計画局(DARPA)は7カ月研究をスタートさせました。研究の狙いは、月面における科学的かつ商業的活動のための分析枠組みを作るため。

DARPAは「10-Year Lunar Architectureプロジェクト(LunA-10:10カ年月面構造)」を通して、今後10年間、月の経済を作り出すためのインフラコンセプトや技術的アイデアを広く募集します。

LunA-10プロジェクトは、今後、月面サービスのアイデアを持つ企業団体を選出し、月面コミュニケーション、エネルギー、データ送信など、未来の月経済に必要不可欠となる統合的システムの開発を共に行なっていく考え。

参加予定の企業は今年10月に発表されます。

DARPAの戦略技術室プログラム担当Michael Nayak氏は、プレスリリースにてこう語っています。

月の経済は、今後10年で大きなパラダイムシフトを迎えます。

ターニングポイントを早めるために、月面システムにおいて複数のミッションを可能にする解決策をLunA-10が独自に見出していかねばなりません。

通信やナビをビーム送信できるワイヤレス発電ステーションなんていいですね。

でも、お金は出しません

研究やプロジェクトは行なうものの、ここで出てきたコンセプトの開発や製造のための資金をDARPAは提供しません。代わりに経済専門家をチームに派遣し、月経済の生存・反映可能性を分析する手助けを行なうとのこと。

NASAも協力

月から火星へのミッションを補完する目的で、DARPAの研究はNASAと協力して行なわれます。

NASAとしては、地球外での長期生活場所として月の調査を火星移住へのテストとしたい考え。NASAの技術成熟室ディレクターNiki Werkheiser氏は「技術を成熟させる機会は、未来の月面構造を満たすため、月の可能性を開発していく鍵となります」と語っています。

近年急増する月ビジネス

欧州宇宙機関によれば、2022年から2032年の間の月への打ち上げミッションは400を超えるといいます。

有人・無人含め月へのアクセスが増えることで、科学的調査の機会も増えます。一方で資源採掘や観光の影響で、月の環境が損なわれる可能性もあります。

適切な枠組みがないことで、月の商業利用は懸念点があるのが現状であり、ここがこれからの課題となります。

LunA-10プロジェクトは、1967年に締結された宇宙条約に基づいており、すべての開発は科学的かつ平和的目的のために行なわれます。

Source: DARPA

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