【PC短評】ゲームの熱中し過ぎに注意!スペックも見た目もパーフェクトな携帯型ゲーミングPC「AYANEO 2S」

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AYANEO 2S

 2023年6月、株式会社ハイビームから「AYANEO 2」の後継機種となる「AYANEO 2S」が発表され、8月上旬に発売が予定されている。公式サイトでは、5%OFFで先行予約販売を開始しており、カラーリングが異なる3モデルレトロパワー20万9,860円、スターリーブラック20万2,860円、スカイホワイト20万2,860円がラインアップ。スペックはいずれも最新のAMD Ryzen 7 7840U、32GB、ストレージ2TBが搭載されている。

 ディスプレイサイズはマルチタッチ対応の7型、WUXGA(1,920×1,200ドット)解像度で画素密度は323PPIと精細、広視野角なIPSパネルを採用している。さらに画面の輝度は500cd/平方mと明るく、一般的なデジタルデバイスで使用されている色域sRGBを130%もカバーしており、高画質なゲーミング体験への追求とこだわりが垣間見える。付属品はACアダプタ、AC変換プラグ×3、USB Type-Cケーブル、USB Type-C/Type-A変換アダプタ×2、化粧パーツ×4、メンテナンス用の専用ツール、簡易マニュアルが付属。

 本体サイズは約264×115×46mm(グリップ部含む)、重量は約667gと500mlのペットボトルよりも重いので、手にしたときの第一印象はズッシリ。グリップのふくらみは緩やかで、握るというよりも薬指から小指にかけて掛かるような感覚だ。

 ディスプレイサイズは7型だが、左右のコントローラ部分も含めるとおおよそ264mm幅となり肘が開く。本体重量も相まって必然的にデスクや膝の上に手を乗せることになるだろう。

 CPUは最新のZen 4アーキテクチャとなるRyzen 7 7840U、グラフィックスはCPUに統合されたRadeon 780Mを搭載。システムメモリはLPDDR5 8GB×4、ストレージはPCIe Gen 4.0接続の2TB M.2 SSD(Type 2280)、OSはWindows 11 Homeがインストールされている。

 インターフェイスは、上部右にUSB 3.2 Type-C(データのみ)、USB4、下部に3.5mmオーディオジャック、microSDカードスロット換、USB4、無線LANはWi-Fi 6EとなるIEEE 802.11 axとBluetooth 5.2に対応。

 左右の側面にはSSDのメンテナンス用にネジ穴が隠されている。分解しようとネジを外したが、その先はどうやって外装を開いたら良いか方法が分からず。小休止を挟みながら隙間を覗いたりしていたが、20万円のサンプルだったこと思い出し優しくネジを締めて復元した。

 メモリはMicronのLPDDR5となるMT62F2G32D4DS-026 WTで容量は8GB×4。ストレージはLexarのNM7A1でPCIe Gen 4.0接続の2TB。ネットワークカードはIntel AX210でWi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応。

 AYANEO 2SにはAYA Spaceという専用アプリケーションがあり、基本的なシステム設定やモニタリング、TDPやファンスピードの変更、SteamやXbox Liveなどのプラットフォーム管理、キーバインドのカスタマイズ、ウィジェットのランチャー登録ができる。特にキーバインド関連は設定項目が豊富で、キー操作の多いゲームではかなり重宝しそうだ。

 特筆すべきはXBOX 360 Controllerの機能を備えているため、ジョイスティックによるマウス操作も可能だ。さらにボッシュの加速度センサーも搭載しており画面の回転に対応するほか、対応するゲームタイトルでジャイロ機能を楽しめる。

 CPUには、2023年のCESで発表されたモバイル向けの最新アーキテクチャZen 4で、優れたバッテリおよびゲーミング性能を備えるPhoenix(開発コードネーム)から、Ryzen AIと呼ばれるAI推論アクセラレータを内蔵する8コア16スレッドのRyzen 7 7840Uを搭載。製造プロセスはRembrandt-Rよりもさらに微細化された4nmで、ベースクロックは3.3GHz、ブースト時は5.1GHzと極めて高速で駆動する。

 グラフィックスも最新のRDNA 3アーキテクチャとなり、CPUに統合されたRadeon 780を搭載し、12のGPUコアは2,800MHzで動作する。サンプルのシステムメモリは8GB×4、ストレージは2TBのM.2 SSD、OSはWindows 11 Home。

 CPUのレンダリングでパフォーマンスを測定するCinebench R23では、マルチコアは9974、シングルコアは1154、総合的なパフォーマンスを計測するPCMark10ではスコア5176となった。ゲーミング向けのハンドヘルドでやるかどうかは置いといて、Webサイトの閲覧やドキュメントの作成といった一般的なオフィスアプリケーションにおいても必要十分なパフォーマンスを発揮する。なおすべての電力設定はシステムセットアップ後のデフォルトで実施している。

Cinebench R23のマルチコアは9,974、シングルコアは1,154

PCMARK10のスコアは5,176、一般的に使用されるアプリケーションで快適な動作が期待できる

 Unreal Engine 4で開発された話題のオンラインアクションRPGBLUE PROTOCOL、同作のベンチマークソフトを使ってFHD解像度における最高画質と低画質の両方のプリセットで計測。最高画質プリセットのスコアは3,875で動作困難、低画質プリセットのスコアは10,236で極めて快適となった。グラフィックス品質を下げる前提だが、FHD解像度の低画質プリセットにすることで問題なく遊べる。なおFHD解像度に設定した場合は、画面の上部に黒帯が入る。

最高画質プリセットのスコアは3,875、レポートの平均フレームレートは28.034

低画質プリセットのスコアは10,236、レポートの平均フレームレートは71.624

 GPUのパフォーマンスを測定する3DMARK Night Raidは23246、Wild Lifeは14,061、Fire Strikeは6,104、Time Spyは2,646となった。ゲーミング性能が高い最近の小型PCと遜色なく、ブラウザゲームなら余裕、カジュアルなゲームであればタイトルに合わせてグラフィックス設定を調整して遊ぶことができる。アイドル時のファンノイズはわずかなサー音、負荷が高くなるとやや高いヒュー音がする。画面サイズを考えれば顔との距離は30cm前後となり、高負荷時のファンノイズはやや気になるが、それもひっくるめてハンドヘルドでこのパフォーマンスを実現し、とにかく画質が良いのが素晴らしい。ディスプレイサイズが小さいと、そもそもの視認性が低下するが高精細かつ高輝度なパネルで抜群の視認性を発揮している。

 ちなみに、単三電池を4本も使う初代ゲームボーイが320g程度だったのに対して、AYANEO 2Sはその倍の667gとなる。Windowsマシンとしてはかなり軽量とはいえ、ゲームボーイ感覚でゴロゴロしながら遊べば、あっという間に腱鞘炎をアンロックしてしまうので熱中し過ぎに注意だ。

内蔵グラフィックス向けのベンチマーク、Night Raidのスコアは23246

クロスプラットフォーム向けのベンチマーク、Wild Lifeのスコアは14061

DirectX 11を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Fire Strikeのスコアは6104

DirectX 12を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Time Spyのスコアは2646

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