連日厳しい暑さが続き、アイスクリームが恋しい季節がやってきた。そんな時、アイス好きが思わず吸い寄せられてしまうのが大手チェーン「サーティワン アイスクリーム」だ。先日、SNSで「サーティワンのアイスはすべてシェイクにすることができる」との裏技的な注文方法が拡散され、多くの人が驚きの声を上げた。あまり知られていない「シェイク」について同社の担当者を取材し、シェイクの人気フレーバーやおすすめ商品などを聞いた。
話題になったのは、あるTwitterユーザーが6月25日に書き込んだツイート。「サーティワンでどのアイスでもシェイクにしてくれるサービスがあると初めて知ったが、そのままのアイスを牛乳にまぜるだけという作り方っぽく、甘すぎる飲み物が苦手な身としてはものすごくよかった」といった内容で、5000件以上のリツイート、2万件以上の「いいね」が寄せられるなど反響を呼んだ。
メニューにシェイクがあると初めて知ったネットユーザーたちからは「マジか、知らなかった―!」「おお、今度頼んでみよ!」「某ハンバーガー店のシェイクが甘すぎて苦手な自分でもコレはおいしく飲めそう」といった感嘆の声が続出。さらに「ラムレーズンがおすすめ」「抹茶で作ってもらうとめちゃくちゃうまい」「チョコミントがおいしいよ、シャーベット系はあまりおすすめしません」などと、サーティワンのヘビーユーザーたちからのアドバイスも寄せられた。
サーティワン アイスクリームは、1945年にアメリカで創業。アメリカをはじめとした海外では、創業者2人の名前に由来する「バスキン・ロビンス」の店名で展開している。1973年の日本進出でビー・アールジャパン(現B-R サーティワン アイスクリーム)が設立され、翌1974年に日本第1号店が東京・目黒にオープンした。日本においては「バスキン・ロビンス」だと分かりづらいとの配慮によって、1カ月(31日間)毎日違うフレーバーを楽しんでほしいという思いから「サーティワン アイスクリーム」のネーミングで展開されている。
店名は「サーティワン」だが、店には前後2段×8列のショーケースが2つあるため、基本的には32種類のフレーバーが用意されている。この種類の豊富さが大きな魅力で、さらに新作フレーバーや期間限定フレーバーが随時投入される。顧客はアイスクリームそのものだけでなく「選ぶ楽しみ」を味わうことができ、熱烈なファンを引き寄せて圧倒的な業界最大手になった。今年3月の2023年度事業戦略発表会では、22年12月期は過去最高となる売上高220億3800万円、営業利益17億900万円を達成したと報告されている。
それほどメジャーなアイスクリームチェーンなのに、今回話題になった「シェイク」の認知度はかなり低いようだ。ネット上では「裏メニューなのでは」といった声もあるが、B-R サーティワン アイスクリーム株式会社マーケティング部の御園生(みそのう)久美さんはこのように語る。
「決して裏メニューではなく、公式メニューなんです。サーティワン アイスクリームは今年で日本上陸50周年なのですが、上陸当初からずっと公式メニューとして続いている商品です。もともとはアメリカのバスキン・ロビンスで提供していたもので、日本に上陸した際にそのままメニューを入れた形です」(御園生さん)
実は店頭でもドリンクメニューでシェイクの販売告知をしているのだが、やはり「サーティワンでシェイクを頼む」という認識がないためか、目に入っていない人が多い様子。作り方は「お好きなアイスクリームをお選びいただき、ミルクを入れ、その場でミキシングします」(同)とのことで、シンプルだからこそ、先述のユーザーたちのように「こんなシェイクがほしかった」という反応が目立っているようだ。
しかし、現在のところあまり知られていないのが実情で、御園生さんによると「まだまだ認知度がなく、オーダーされる方は限られています」とのこと。だが、これからの暑い季節、アイスを食べるだけでなく、冷たいシェイクとしてもオーダーできると知っていれば、サーティワン アイスクリームの活用法が広がりそうだ。
ただ、30種類以上もあるフレーバーの中には、シェイクに向いているものもあれば向いていないものもありそう。そこで、御園生さんにシェイクの定番売れ筋商品とおすすめのフレーバーの選び方を教えてもらった。
「アイスクリームでも定番の人気フレーバーとなっている『ポッピングシャワー』が、シェイクでもよくオーダーをいただいているイメージがあります。おすすめとしては、たくさんの具材が入ったアイスクリームをシェイクにすると、食感も楽しく、他にはないサーティワンならではのシェイクが楽しめます」(同)
サーティワンではさまざまなフレーバーが楽しめるが、それに加えて「好きなアイスクリームをシェイクにできる」という選択肢があることを知ると、より魅力的なお店になりそうだ。
(文=佐藤勇馬)