Microsoftは29日(米国)、Windows Copilotの実装や圧縮ファイル形式のサポート拡大など、大幅なアップデートが施されたWindows 11 Insider Preview「ビルド23493」をDevチャネル向けに提供開始した。
AIアシスタントのWindows Copilot
本ビルドでは、AIを使ったユーザー支援機能「Windows Copilot」の実装が始まった。Windows 11プレビュー版の「ビルド23493(Devチャネル)」およびMicrosoft Edge「バージョン115.0.1901.150」以降が必要要件となっており、対応環境に対して順次展開していく予定。
Windows Copilotは、同社が5月に開催した開発者向けイベント「Microsoft Build」にて発表した、大規模言語モデル(LLM)を利用したAIアシスタント機能。音声アシスタント「Cortana」の実質的な後継機能だが、LLMを活用することで、より自然な応対が可能になるとしている。展開済みのデバイスでは、タスクバーのアイコンまたは「Win+Cキー」のショートカットで呼び出せる。
なお、今回のビルドでは主にUI周りの確認を目的としていて、機能を制限した状態で提供しており、サードパーティプラグインのサポートなどは実装されていない。Windows Copilotの画面は通知センターのように側面からサイドバーとして表示されるが、いつでも必要に応じて使えるよう、開いているアプリケーションなどの上に重ねて表示はされず、割り込むようなかたちとなっている。
現時点で対応可能な質問の例として、「Take a screenshot(スクリーンショットを撮って)」、「Summarize this website(このWebサイト(Edgeでアクティブなタブ)を要約して)」、「Write a story about a dog who lives on the moon(月に住む犬の話を書いて)」といったものがあげられている。
圧縮ファイル形式のサポート拡大
加えて、「.7z(7-Zip)」や「.rar」をはじめとした複数の圧縮ファイル形式が新たにネイティブでサポートされた。別途サードパーティアプリを導入せずとも、さまざまな圧縮ファイルを取り扱えるようになる。なお、ファイルの展開(解凍)は可能だが、圧縮は引き続き「.zip」のみとなる。
オープンソースプロジェクトの「libarchive」を活用しており、対応ファイル形式の例としては以下のようなものがあげられている。
- .tar
- .tar.gz
- .tar.bz2
- .tar.zst
- .tar.xz
- .tgz
- .tbz2
- .tzst
- .txz
- .rar
- .7z
設定アプリや音量ミキサーのアップデートなども
さらに、設定アプリに新たに「Home」の項目が加わった。デバイスの概要や重要な設定へのクイックアクセスなどをカードで一覧で表示するほか、ユーザーの使い方から必要と思われる設定項目を提案する「Recommended settings」も用意する。さまざまな設定をよくアクセスする機能ごとにグループ化し、カードとして表示することで、クリックするだけで簡単に設定を変えられるようになる。
今回のビルドでは、上述のRecommended settingsに加え、クラウドストレージの容量を確認できる「Cloud Storage」、壁紙やアクセントカラーといった個人用設定をまとめた「Personalization」、Bluetoothデバイスを簡単に管理できる「Bluetooth Devices」など7種類を用意する。
また、音量ミキサーがクイック設定から呼び出せるようになった。アプリごとの音量調整が行なえる機能で、これまでは設定アプリの中から操作が必要だった。「Win+Ctrl+Vキー」のショートカットも割り当てられている。
これ以外にも、タスクバーやスタートメニューにピン留めしたアプリを、新規PCセットアップ時に簡単に再インストールできる機能、日本語およびイギリス英語における自然なナレーター音声の追加などが、新要素として実装された。
そのほかの変更や改善としては、スナップレイアウト機能でアプリアイコンとともにおすすめのレイアウトを提示する機能の追加や、ファイル圧縮機能の性能向上などを実施。explorer.exeがクラッシュする問題や、Dev Driveを使うとシンボリックリンクが正しく機能しない問題など、不具合も修正している。
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