ツイッターを中心に活動しているクリエイターにとって、アカウントのフォロワー数は、日々の閲覧数へとダイレクトに直結する。描きたいものや、作りたい作品を自由に発表できるのがツイッターのよいところである一方、伸び悩むフォロワー数に頭を抱えているクリエイターは意外と多い。
2023年6月17日に投稿された、プル子@2.5次元推しゴト6/29単行本発売@purukoさんの「6年間フォロワー数におびえ続けた話」というツイートには、プル子さんの実体験をもとに作成されたとある漫画が添えられていた。この投稿には、2200件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。
今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介します。
6年間フォロワー数におびえ続けた話(1/3)#漫画が読めるハッシュタグ pic.twitter.com/keYIh4RIDW
— プル子@2.5次元推しゴト6/29単行本発売 (@puruko) June 17, 2023
フォロワー数に振り回される日々
6年前に何気なく書いたエッセイ漫画が、ツイッター上で多くの人の共感を呼び、世間一般で言う「バズる」という現象を体験した投稿者のプル子さん。漫画がバズったことがきっかけで、エッセイ漫画の書籍化に関するお誘いがさまざまな出版社から届くようになる。
しかし、いざ出版社側と話を進めてみると、最初に、フォロワー数を増やすことを提案されたそうだ。
フォロワー数は、漫画を描けば増えるものだと思っていたプル子さんだったが、ジャンルを問わず作品を描いていたプル子さんの現実は、漫画をアップロードするたびにフォロワー数が減る始末……。
減り続けるフォロワー数を見るたび、次第に自分の努力不足を責められているような気分になったプル子さんは、ある日を境にフォロワー数を見るのが怖くなってしまったとのこと。
フォロワー数に振り回される日々の中で、ほとんど漫画を描かなくなったある日、とある出版社からプル子さん宛に仕事の依頼のメールが届く。どうせまた、フォロワーを増やせと言われるのかと思ったプル子さんは、適当に返事をしたそうだが、半年後には半信半疑で提出した読み切りがなんと紙面デビュー。
その半年後には、商業連載がスタートし、ちゃんと原稿料と印税が自身の口座に振り込まれていたとのこと。
竹書房の熱い思いに衝撃を受ける作者
そして、さらにそこから一年後には、紙と電子両方のコミックスを出そうという話にまで広がっていったそうだ。トントン拍子に話が進み、驚きを隠せないプル子さん。
商業連載を開始してもなお、自身のフォロワー数の少なさについて気にしていたプル子さんに対して、担当さんは「うちは売れる漫画と言うより、他社にないジャンルを出したいっていう方針なんで!」と言い放ったそうである。
他の出版社にはない熱い方針を胸に、新たなジャンルの漫画を世に送り出したいと奮闘している出版社は、東京都千代田区三番町に本社を構える「株式会社竹書房」。漫画『ポプテピピック』内でさんざん破壊された、あの竹書房である。
プル子さんは思わず「正気か? 竹書房!」と衝撃を受けたそうだが、その後、あらためて書籍化に必要なことはフォロワー数ではなく、運の要素も強いということに気が付き、フォロワー数を冷静に見ることができるようになったそうだ。
この経験からプル子さんは、「これからもフォローしてくれている皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、自分なりに漫画を描いていきたい思う」と語り、ツイートの漫画は締めくくられている。
『私の鬱を治したのは2.5次元の推しゴト』は6月29日に発売
この投稿を読んだツイッターユーザーたちからは、「ポプテピを出してる竹書房…懐が広すぎるわ」と、竹書房の新人漫画家発掘方針を絶賛する声や、「自虐ネタだけじゃなかったんだ竹書房…。そのようなところが好き竹書房wそして単行本おめでとうございます」と、プル子さんの書籍発売を祝う声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられていた。
今回の漫画の作者であるプル子さんの作品『私の鬱を治したのは2.5次元の推しゴト』は、竹書房より2023年6月29日に発売する。
(画像は「Amazon」公式サイトより引用)
『私の鬱を治したのは2.5次元の推しゴト』は、うつ病を発症して引きこもりだった作者が、2.5次元に心を奪われて引きこもりを脱出するも、独特のルールや、しきたりに翻弄される姿をコミカルなタッチで描いている作品だ。本日ご紹介したツイートの漫画が気に入った方は、ぜひ、こちらもあわせてチェックしてみてほしい。
※サムネイル画像(Image:「プル子@2.5次元推しゴト6/29単行本発売(@puruko)」さん提供)