オーストラリア当局は現地時間6月22日、Twitterに対し、どのようなヘイトコンテンツ対策を採っているのかを説明するよう求める通知書を送付したと発表した。28日以内に回答がなければ、最大で日額70万豪ドル(約6800万円)の罰金を科す可能性もあるとしている。
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同国のオンライン安全当局であるeSafetyにこの1年間に寄せられたオンラインのヘイトに関する苦情のうち、Twitterに関するものが最も多いという。
eSafetyのコミッショナーJulie Inman Grant氏によると、Twitterを使ったオンラインでの嫌がらせの報告件数も、Elon Musk氏が2022年10月に同社の経営権を握ってから増加中だという。Grant氏は苦情件数の急増について、Twitterが世界全体の従業員(信頼および安全性担当チームのメンバーを含む)を8000人から1500人に削減した時期と一致すると指摘している。同社は、オーストラリアにおけるパブリックポリシーも削除した。
また、Musk氏は2022年11月に「大赦」を発表しており、凍結または一時アクセス禁止にされたユーザー6万2000人がそれによってTwitterに復帰し、そのうち75人はフォロワー数が100万人を超えていたという。同氏は凍結されたアカウントの復活について、「極右や極左、侮辱発言やヘイト発言の発信者をつけあがらせた」と指摘した。復活したアカウントの中には、国内外のネオナチのアカウントも含まれている。
現在の利用規約やポリシーでは、Twitter上での悪意ある行為は禁止されているが、eSafetyに寄せられる苦情の増加と、Twitterに依然として存在するヘイトコンテンツの報告は、Twitterがユーザーに規則を順守させる可能性が低いことを示していると、Inman Grant氏は述べた。
同氏はeSafetyの独自調査を引き合いに出し、オーストラリア人の約5人に1人は何らかの形のオンラインヘイトを体験したことがあると説明した。
「Twitterは、ヘイト対策を怠ってきたようだ」「これらのプラットフォームによる説明責任とユーザーを保護するための行動が必要だ」(同氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。