そうめんがおいしい季節だ。
このところ、わが家でもたびたび夕食にそうめんを食べている。天かすを入れたり、錦糸玉子を入れたり、ツナを入れたり、具をえらぶ楽しさもあって、しかもうまい。
などと書いておきながら、今回はそうめんの話じゃなかったりする。
あるとき、そうめんがすっかり空になったざるを見ていて、机に不思議な模様が映っているのを見つけた。一瞬、それが何なのか分からず、少ししてようやく意味を理解した。
まずは、何が映っていたのかということからご紹介します。
※2008年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
ざるが映し出す模様
机の上のざるが映していた模様というのは、これです。
さすがにこれだと何だか分からないかもしれないので、もうちょっと全体が見えるようにしてみると、こう。
つまり、そうめんの水分がざるに残り、網目ごとに少しづつ乾いていく途中でこういう模様が見えた、ということなのだった。
何か描いてみよう
ここからがようやく本題。ざるでこんなふうな模様が作れるなら、何か書いてみようじゃないか、というわけです。
というわけで、ざると筆、それに水を入れたパレットを用意し、金網の目にひとつずつ水滴を落としていく、ということをやってみた。最初にできたのがこれ。
この時点では何が書いてあるのか分からない。だけど、これを明かりにかざすと、こんなふうに文字が浮かび上がってくるのだ。
分かりやすい。だれがどうみてもざるでしょう。
そしてまた、ぼくはひとつの可能性を思う。タイプライターを渡された猿が、偶然シェークスピアの一節を書き上げる可能性はゼロじゃない。同じように、そうめんを食べ終わったざるの底に、ぐうぜん「ざる」の模様に水滴が残ることだってあるだろう。
とても長い時間がかかるかもしれないが、ぼくはそんな瞬間が見てみたい。