【突撃】音楽大会で審査員するフリして「審査イングヴェイ」してみたらヤバイことになった

ロケットニュース24

今や年末の風物詩となっているお笑い賞レース『M-1グランプリ』。優勝者には1000万円の賞金が与えられるが、それ以上にデカイのは露出が増えることだろう。発見されることのデカさは、ライブハウスシーンで20年くらいバンド活動をしている私(中澤)も痛いほど分かる。

今年、音楽においても、M-1みたいな賞レースが開催されるという。その名も『ARTISTS LEAGUE Grand-Prix2023(以下、アーティストリーグ)』。優勝賞金はM-1と同じ1000万円で、優勝者にはタイアップやフェス出演などの特典も用意されている。驚くべきことに、そんなガチ音楽賞レースの審査員のオファーが来たこの私に

・正気ですか?

こういうのの審査員って、メジャーレーベルの人とか、音楽著名人とかそれなりに説得力のある人がやるものではないのか。こちとら音楽では一切売れずに、死にそうなところをロケットニュース24に拾われてなんとか生きてる不良ミュージシャンである。

メジャーレーベルの人と仕事で会うことはあっても完全に業界の外の人として対応されているし、私もそれでいいと思っていた。お互い仕事だからな。ゆえに、今回のオファーが正気の沙汰とは思えないのである

・やることになった経緯

そんなオファーをしてきたのは谷口翔太くん。活動歴だけは無駄に長い私は、対バンした人がビッグになった経験も1度や2度ではないのだが彼もその1人。

知り合ったのは、私が以前やっていたバンド「ソレカラ」と彼がベースを弾いていた「sacra electro」が対バンした時で、人柄がめちゃくちゃ良かったことを覚えている。それでたまに「谷口くん何してんのかなあ?」とTwitterをチェックしたりはしていた。櫻坂46の作編曲とかするようになっちゃってマア……!

「成功したら嬉しい」と思わせてくれるというのは人気商売であるミュージシャンの才能の1つだと思う。『アーティストリーグ』は、そんな谷口くんが運営に加わっているとのことで、私のような人間はいない方が良いと分かりつつも協力したいと思ったわけだ。全力で



・審査イングヴェイしてみた

そこで審査員紹介のプロフィール画像を全力で送った。そして、6月10日にアーティスト募集が開始されたのだが、公開された公式サイトを見て私は震えずにいられなかった。


審査員が想像以上にガチなのである。作曲家だけでなく映像作家、振付師、巨大フェスの実行委員、プロデューサーからエンジニアまで20人の大会審査員は全員プロ中のプロというオーラがあるではないか。


ちょっと待ちたまえ、谷口くん

この中に私が混じってホントに大丈夫なんか。スポンサーもエイベックス、日本コロムビア、ビクターエンターテイメント、ユニバーサルミュージックって半端じゃないことになってるぞ。怒られない? ねえ、これ怒られない!?

唯一、「なんやねんコイツ」と思われなさそうな人物は、バンド界隈から選ばれている『それでも世界が続くなら』のしの君だけだ。野外ライブで一緒になったことがあるのでひょっとしたら私のことを覚えているかもしれない。どうも、お久しぶりです。フリサトのギターの中澤です。こんなところでお会いするなんて奇遇ですね

・また人生が交わることがあるなんて

しかし、大会の公式サイトを見ていると、もっとビックリすることがあった。大会審査員の上にスペシャルジャッジという人がいるのだが、このスペシャルジャッジがジェフ・ミヤハラさんなのである。

クリス・ハートのプロデューサーであり、三代目J SOUL BROTHERSに楽曲提供なども行っているジェフさん。その活動は多岐にわたり、こういう企画の審査員に名を連ねることも多い。

で、実は私はロケットニュース24に入る前、ジェフさんが審査員の作詞家オーディションで最終選考の3人に残ってテレビ出演したことがある。その時にジェフさんに言われた「言葉選びが輝いてる」という評価は今も胸に残っている。こんなところで一緒になることがあるなんて本当に世の中何があるか分からないものですね。666

結局、私は2位だったのだが、何を隠そうその時の優勝者はマシンガンズの滝沢さん。先日の漫才トーナメント『THE SECOND』での準優勝は歩き続けた者の背中を見た気がした。



・安全圏にいるな

もちろん、すぐにパッと花開く才能は素晴らしいし眩しい。だが、私は、何度も壁にぶつかりながらも自分のやり方を掴む人はそれ以上に輝いていると思う。

一歩を踏み出し続けた先にしかそれはないからだ。例え、偽物だとしても、輝きを求める意志で本物を凌駕する。それは安全圏にいては掴めない。自分を変えたいと思うなら安全圏にいるな


というわけで、応募についてもし迷っている人がいるなら、とりあえずぶつかってみるのも手。それが何らかの一歩になる大会だと思う。なお、応募受付は2023年7月7日までだ。その一歩があなたを太陽よりはるかに遠くへと運んでくれるかもしれない。

参考リンク:ARTISTS LEAGUE Grand-Prix2023
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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