まさかの『NO MORE 映画泥棒』のキャラ香水が大ヒットしているらしい…販売元に話を聞いてみたらマニアックな世界が広がっていた

ロケットニュース24

近頃、アニメやゲームなどのキャラクターグッズとして人気を博しているのが、キャラクターをイメージした香水。

人気作品の登場人物たちをイメージしたキャラ香水が世に溢れているのだが……一風変わったキャラ香水が発売された。

映画館で必ず流れるマナームービー『NO MORE 映画泥棒』のキャラクター香水である。えっ、こんなキャラクター香水まで出てるの!? と衝撃を受けたのだが、なんと異例のヒットをしているらしい。

気になったので販売元のフェアリーテイルの公式サイトをよくよく見てみると、他にも変わったキャラクター香水が多いような……。

というわけで、「映画泥棒」の香水と「キャラクター香水の世界」について話を聞いてみた。

・なぜ「映画泥棒」の香水を作ることに!?

今回、お話をしてくれたのは株式会社フェアリーテイルの熊谷勇希社長。なんでも社長自ら、この香水を手掛けたという。

──そもそも、なんで映画泥棒の香水を作ることになったんですか?

うちは戦隊モノの香水なども手掛けてるんですが、東映の方と話しているときに『映画泥棒』の冊子を頂いて。「このふたりはけっこう女性ファンが多いみたいなんですけど、どうですか?」という話をされまして。完全に雑談から話が進んでいった感じなんですよ。

── まさかの女性人気ですか! 

そもそも「泥棒と警察」っていうコンビって、ルパンと銭形しかり昔から人気があることを考えると面白いかもなあ……というのが出発点でした。みんな一度は映画館であの注意喚起動画を見たことがあるので実は知名度も抜群ですしね。


──刑事と泥棒だと言われると、たしかに普遍的な感じもするような。ちなみに、香りはどうやって決めたんですか? 実は想像以上にいい香りでびっくりしたんですが……。

紹介冊子を見たら、実はこのふたりって設定とかも細かいんですよ。カメラ男、パトランプ男って名前があることもそれで知ったんですけど。

「カメラ男」はパルクールなんかを駆使してスタイリッシュ。映画の盗撮って「10年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金」っていう重い罪でやってることは褒められないけど、怪しくも爽やかで華やかなイメージ……というところからローズ系&シプレの香りに仕上げてみました。

「パトランプ男」は、突然現れるイメージだったけど、実は映画館の常駐警備員らしくて……。仕事熱心ですよね。常駐ってことから映画館のちょっとスモーキーなイメージでいきました。最初はタバコノートにしようかと思ったんですけど、子供も知ってるキャラクターだってことを考えてNGに、男性向けの香水にあるウッディ系に自然となっていきましたね。映画の盗撮を許さないっていう信念と正義感を持った男のイメージです。


香水はトップノート、ミドルノート、ラストノートと、時間とともに3段階に香りが変化するのだが、それを作品の展開や、キャラクターの性格に当てはめていく感じで考えているのだという。なるほど。あの短い映像の中から、ストーリーを深堀りしていった結果、そういった香りになったとは……。

・意外すぎる最初のキャラ香水

そもそも、なぜキャラクター香水を始めたのだろうか。キャラクター香水自体は今は人気のキャラグッズのひとつであるが、フェアリーテイルが手掛ける香水は、『仮面ライダー』などの特撮ヒーローに80年代や90年代のアニメなど作品のセレクトが一風変わっているのだ。

──ちなみに最初に作ったキャラ香水はどれですか?

実は最初に作ったのは2018年の『魔神英雄伝ワタル』の香水なんですよ。

──えっ!? まさかのワタルですか。私(40才)が子供時代の作品ですよね? もっと最近の作品から作り始めたのかと思っていたので意外です……。

いろんなタイミングが神がかってたんですけど……。まず、最初に手掛けるなら、自分が一番好きな作品がいいだろうと思って、版権を持っているサンライズに連絡してみたら「実は今年『ワタル』は30周年だからグッズ展開考えてるんだよね」と言われて……。完全に偶然だったのですが、それで相手も面白がってくださって、話がトントン拍子に進んだんです。


──すごい流れですね。それでヒットした……と

ファンの多い作品だったとしても、グッズ制作はどれくらいコアなファンがいるのかを読むのが難しいんですけど。今でも『魔神英雄伝ワタル』のコアなファン層がどれくらいいるかと考えると、想像以上のヒットでしたね。今まで香水を使ってなかった人も買ってくれたというのも大きかったですね。


熊谷社長自身が手掛けたという『魔神英雄伝ワタル』の香水紹介のページを見ると……第1弾ということもあってか、香水のモチーフもこだわってるし説明文も熱い! これはヲタク……もとい、完全にファンが考えたグッズだ……。


──キャラクターグッズは販売予想が難しいとおっしゃってましたが、予想した以上にヒットした香水などはありますか?

キャラクター単体だと『コードギアス 反逆のルルーシュ』のC.C.(シーツー)というキャラクターの香水はかなり売れました。

あとは『シティーハンター』の世界観をイメージした香水と『キン肉マン』シリーズですね。ちゃんとした公式サイトやSNSがないにも関わらずヒットしたのは『きまぐれオレンジ☆ロード』のヒロインをイメージした香水です。


──あ〜、『きまぐれオレンジ☆ロード』! なんだか、わかるような気がします。アラフォー、アラフィフ世代はミステリアスな鮎川まどかが初恋の人……という人も多そうですよね。彼女からどんな香りがするのか気になります。

鮎川まどかは僕の理想の女性像に大きな影響を与えた作品で……と語る熊谷社長。好きな作品の話になると熱く語る姿をみると、めっちゃ特撮とアニメが好きなんだなってことが伝わってくる。

・ある意味で原点は「衛星アニメ劇場」

──アニメや特撮などのキャラクター香水の中でも、80年代〜90年代の作品が多いように感じます。個人的には直球世代だった『きんぎょ注意報』の香水があって驚きました

旧作を掘り起こす精神……みたいなものは、ひょっとしたらNHKのBS2で放送していた『衛星アニメ劇場』(海外や日本の古い名作アニメを放送していた番組)の影響かもしれませんね。


──なつかしい! 私も衛星アニメ劇場、留守番しながら毎日見てました! 

過去の作品であっても、面白い作品はきっちり刺さるんですよね。特に好きだったのは『ロビンフッドの大冒険』でDVDも買ったんですけど幻の総集編が入ってなくて……(以下、『ロビンフッドの大冒険』の話で盛り上がる)


── 話が脱線しました。最後に、ロケットニュース読者世代にオススメのキャラクター香水などがあったら教えてください

先ほど話にも出た「キン肉マン」「きまぐれオレンジ☆ロード」、あとは「仮面ライダーBLACK」の香水なんかは懐かしく思ってくださる方が多いんじゃないかと。今後、『衛星アニメ劇場』で放送していた作品の香水が出たら、ついにやったな……と思ってくだされば(笑)

クールに見える熊谷社長の意外とも思える、アツいアニメ&特撮トークとロマンが印象的な取材となった。

ちなみに、『NO MORE映画泥棒』の香水を購入すると、先着でパトランプ男とカメラ男と一緒に撮影できる激アツなイベントに参加できる。特典券の入手方法など、イベントの詳細は公式サイトから要チェックである! 

熊谷社長いわく「多分こんなイベントは初めてなんじゃないか」とのこと。ぜひチェックしてみてほしい!


参考リンク:フェアリーテイル
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

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