Intelは15日(米国時間)、12量子ビットを搭載した量子研究用チップ「Tunnel Falls」を公開し、量子研究コミュニティに対して提供すると発表した。
Tunnel Fallsは、Intelが研究者向けに発表した初のシリコンスピン量子ビットデバイス。標準的なCMOSロジックの処理プロセスと同様のフローで製造が可能で、同社の持つプロセス制御技術と組み合わせることで、ウェハ全体に対して95%の歩留率を実現できるとしている。300mmウェハで製造され、1枚で2万4,000個以上の量子ドットデバイスを提供できるという。
同社では、大量生産用の製造設備を持たない学術機関に対して、Tunnel Fallsを提供。研究者がすぐに実験や調査に取り組めるようにし、量子技術に関する幅広い研究や技術開発を可能にするという。
また、すでにTunnel Fallsをベースとした次世代量子チップの開発を進めており、2024年にも発表を予定している。あわせて、Laboratory for Physical Sciences(LPS)、LPS Qubit Collaboratory(LQC)、Quantum Information Sciences(QIS)らと、量子コンピューティングに関する共同研究を行なうなど、各国の研究機関と連携して、量子エコシステムの構築を進めていくという。
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