今回もまた、さる2023年6月5日まで日本橋三越本店で開催されていた「第67回とっておきの山形展」で発見した干し蕎麦をレビューしていきたい。
購入したブースの名前は「新庄いいにゃ風土本舗」。そこで売られていたのが『最上早生そば(もがみわせそば)』。最上早生とは、山形県のそば作付面積の約4割を占める蕎麦の品種で、山形県奨励品種であるそうな。
購入する時、「内容量が150gと少し少ないのですが大丈夫ですか?」と気を使っていただいた。たしかに150gは微妙な量。1人前だと爆盛りだけど、2人前にするとやや少なめ……。せめて160g〜180gあたりが望ましい。
それではさっそく……
デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……
約6分ゆでて……
完成。
して、そのお味は──
こりゃちょっと面白い蕎麦だった。まずつゆなしで食べたところ、少々「コムギキー(小麦粉っぽい)だな……」と思ったのだが、いざつゆにつけて食べると人が変わったかのように美味くなった。さらに蕎麦の味と香りすら増強される感もある。
いわば、つゆに左右される「つゆ活きのそば」ではなく、つゆの援護射撃で覚醒する「つゆで加速する蕎麦」である。なんなんだこれは。面白いな。
「家そば」か「外そば」かなら「外」であろう。ただし!
パッケージにも書かれている「コシの強さ」は確かなのだが、このコシの強さは、残念ながら「安い蕎麦によくある弾力」にも近く、干し蕎麦、ひいては家そばをたくさん食べている人ほど「これは家では?」と感じてしまいそうな感触なのであった。
でもまあ、うまいです。「冷やしおろしそば」または「冷やしなめこおろしそば」でいただきたい蕎麦である。
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24