一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、漫画の海賊版がダウンロードできるURLへのリンクを大量に掲載していたリーチサイト「13DL」の閉鎖を、5月22日に確認したと発表した。
リーチサイトとは、違法にアップロードされた著作権侵害コンテンツにユーザーを誘導するウェブサイトのこと。CODAによれば、13DLは日本人向けの出版物のリーチサイトの中で最大のアクセスを集めていたサイトで、2017年に当時日本人向けで最大規模だった「はるか夢の址」の運営者逮捕による閉鎖後に、アクセスを伸ばした。
13DLがリンクしていた著作権違反コンテンツのサイバーロッカー(オンラインストレージサービス)からファイルをダウンロードするには、有料サービスの契約が必要であるか、有料契約の方がスムーズにダウンロードできた。CODAでは、ファイルのアップロードも同サイトの運営者自身が行い、サイバーロッカーから報酬を得ていたと推測している。
CODAでは、出版5社海賊版対策会議(KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、株式会社スクウェア・エニックスの5社による協議体および勉強会)など出版社からの要請に基づき、同機構が経済産業省の支援のもと、セキュリティ専門家(エシカルハッカー)らと協力して海賊版サイトの運営者を特定するため取り組む「国際執行プロジェクト(CBEP)」の対象として、13DLを調査していた。
証拠保全の上、CODAではCBEPリーガルディレクターである中島博之弁護士に要請し、5月3日に、13DLとサイバーロッカーが利用していたCloudflareに対して、集英社作品の侵害事実でDMCA通知による削除要請を送付した。
その後、5月10日に米国裁判所へ発信者情報開示の申し立てを行い、5月12日に開示命令が発令されたところ、5月15日頃に13DLが「13DL is closed, 今までありがとうございました」との表示となり、サイトでの侵害物掲載を停止。しかし、5月17日から「プレミアム買ってた人申し訳ないために最後のプレゼントです」(原文ママ)として、2つのサイバーロッカーへの18万を超える漫画作品のダウンロードリンクを掲載したファイルを配布していたことが確認されているという。そして、5月22日にサイト自体へのアクセスが不可となった。
6月には、Cloudflareから13DLおよび複数のサイバーロッカーの契約者に関する情報が開示される見通しだという。また、CODAでは、先述の「最後のプレゼント」の配布に関しても発信者情報開示請求を行うべく、サイバーロッカーの運営拠点とみられる北欧の弁護士事務所に手続きを要請中であるとし、「あらゆる手段を使い、運営者の特定に全力を挙げてまいります」とコメントしている。
なお、13DLという名称や類似のドメイン名を使った模倣サイトが存在するという。また、海賊版と知りながらダウンロードすることは法律で禁止されており罪に問われる可能性があるとして、CODAでは「最後のプレゼント」を受け取った人らに注意喚起の呼び掛けを行っている。