ZOTACがCOMPUTEX TAIPEI 2023にてファンレスなのに風が出るソリッドステートアクティブ冷却システムを採用したZBOX PICOを展示しているが、その中でも重要なパーツとなる「AirJet」を取り扱っているFrore Systemsもブースを構えていたためこちらも取材した。
AirJetの仕組みとしては簡単に言えば内部にあるメンブレンを振動させて風を出すもので、AirJet Miniは21dBAのノイズレベルで5.25Wの熱を1Wで除去、AirJet Miniの大型版となるAirJet Proは24dBAのノイズレベルで10.5Wの熱を1.75Wで除去するという。
ZBOX PICOについては以下の記事を参照してほしい。
ZBOX PICOのAirJetあり、なし比較
ブースでは実際にZBOX PICOのAirJetあり、なしのサンプルが準備されていた。
AirJetありの場合は性能を維持しつつ表面温度が57℃。一方なしの場合は65℃まで上昇してしまっており、サーマルスロットリンクが発生していた。このデモを見る限りAirJetの効果は確かにあると言えるだろう。また、現在大量生産前に微調整をしているところであり、実際の製品ではより性能が改善されるという。
AirJetは本来熱源にそのまま設置することができるというが、今回のZBOX PICOの場合はAirJet Miniを2つ使用するため熱を均等に分散させる銅製のヒートスプレッダを使用しているとのことだ。
ノートPCのAirJetあり、なし比較
また、AirJetの特徴として静音が挙げられるが、そちらのデモも行なっていた。
Samsung製のノートPCである「Galaxy Book 2 Pro 13」をカスタムしたサンプルで、実際にヘッドフォンを使い確かめることができた。筆者の感覚で申し訳ないが、確かにAirJet入りのサンプルの方が静かだった。
サンプルはどちらもCinebench R23を連続動かしており、実際の性能としてCPUパワーはAirJetありが16W、なしが12Wと、AirJetありの方が性能を引き出せていることが分かる。
担当者によると、Galaxy Book 2 Pro 13がAirJetに最適化された構造であればAirJet Miniを4つ搭載することができたため、CPUパワーは20Wを目指せたという。
SSDのAirJetあり、なし比較
AirJetはPCだけでなく用途は広い。ブースではSSDの冷却デモも実施していた。
こちらもAirJetあり、なしで比較しており、表面温度に差が出ていることが分かる。
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