どれだけ多様性が認められようとも、やはり日本人の主食は “米” であろう。いまや寿司も天ぷらもラーメンも世界規模のグルメへと昇華しているが、なぜ「おにぎり」がブレイクしていないのか、個人的には不思議でならない。
さて、第34回目を迎えた『グルメライター格付けチェック シーズン2』のお題は「おにぎり」──。そりゃ流石にわかるでしょ！ ……と思いきや、参加者のほぼ全員を悩ませる大いなる罠が待ち受けていたのであった。
・おにぎりはわかるでしょ（笑）
インターネット上に配信される “グルメ記事” を執筆するライターたちの味覚は信用していいものなのか？ そんな疑問に体を張ってお答えするガチ企画、それが「グルメライター格付けチェック」である。1つだけ自信を持って言えるのは「こんな企画をやるのは当サイトだけ」ということだ。
それはさておき、おにぎりには大きく分けて2種類「家のおにぎり」と「買ってくるおにぎり」がある。そのうち「買ってくるおにぎり」の90％以上はコンビニ産のもので、そういう意味では「コンビニのは流石にわかる」と思われていた。
だがしかし、結果的に「おにぎり編」は大波乱！ 今回は具で差が出ぬよう “塩むすび” を用意したうえ、コンビニ産はレンジで温めてから実食した。この「温かいおにぎり」が参加者たちを迷わせることとなる──。
・高い方を当てる
で、ここで『グルメライター格付けチェック』のルール説明をしておこう。参加者は目隠しをしたまま “超高級食材” と “普通の食材” を味見し「どちらが高いか？」を当てる。ウマいマズい、好き嫌いは関係なく「高い方」を当てれば正解だ。
今回用意したのは「ぼんご」の具無しで、価格は1つ300円。行列必至の超大人気店のおにぎりは「コシヒカリ」を使用しているのが最大の特徴だ。おそらく「いま最も手に入れにくいおにぎり屋さん」であろう。
もう一方はセブンイレブンの塩むすびで、価格は110円。ざっと約3倍の価格差があることになるが、果たしてグルメライターたちは違いを見極めることが出来たのだろうか？
先述のように「温めたおにぎり」に戸惑いまくった参加者たち。多くのメンバーが右往左往する中、確信を持って正解を導き出したのは……！
サンジュン：A「え？ え？ えーーー？ うわー、これ難しい。いやマジでわかんない。うわーどっちだろう。マジかよ……でもAにしようかな。理由はAの方がよりムラがあったのとほぐれ具合だね。
なんかAは塩が付いてるところとついてないところが、より多かった。ということは手で握ってるんじゃないの？ Bももちろんウマかったんだけど、ムラは若干少なかった。人間のムラを信じてAだ」
中澤：B「うわー、ウマいな～。でもメッチャ自信ある。Aは塩の効き方がセブンでしたね。塩気も後味もセブンっぽかった。逆にBは米の甘み重視で噛んでいくと上がっていくんですよ。
どっちもウマいから買うなら迷いますね。今回はぼんごがBというより、セブンがAですね。めっちゃセブンの味でした。ただ味としては甲乙つけ難かったです」
あひるねこ：B「いやー、わからないなー。というか、セブンのおにぎりを温めて食べたことがない。ただAを食べた感じだとAがぼんごっぽいかな？ あ、これたくさん食べてもわからんわ。
食感はAの方が空気が入ってるというか、エアリーでしたね。ただBは明らかに塩が薄かった。コンビニでそんなことあり得る？ ただAは塩気がまばらで人が握ってる気もするけど……あまりに塩気がないことを信じてBにします」
砂子間：A「ぼんごは姉妹店ですけど食べたことがあります。2週間くらい前ですね。うわでもマジかー。全然わかんないス。Aは塩気とかがコンビニっぽい感じがしたんですよね。
ただBが思ったよりエアリーでは無かったんですよ。いつもなら最後までいっぱい食べたBを選ぶところなんですが、ことごとく二択を外してるので今回はAで行きます。マジ全然わかんないス」
和才：B「うわ、こんなのわかります？ ……あ、でもBを食べたらわかったかもしれない。なんか若干Bの方がお米が立ってた気がするんですよね。Aは塩分が均一でしたね。
その点、Bは塩分にムラがありましたし、若干薄めだったんですよ。でも決め手はお米の立ち具合です。ほんの少しの差なんですけど、それを出すのって難しいと思うんですよ」
佐藤：A「ぼんごは食べたこともあるし、作り方も知ってる。はいはいはい、これはだいぶ自信がある。Aは圧力を感じなかったし、米がほどける感じがした。塩気も良かったよね。
あとね、Bは若干冷蔵庫臭を感じた。それにAは作りてた感があったよな。人間味って言うの？ 全般的にAの方が今さっき作りましたって感じがした」
原田：A「ちょっと片方食べただけじゃわからないですね……あ、Bを食べてもわからないです。でも美味しい方を選んだらAでした。ただちょっと塩分で誤魔化してる気もするんだよな……。
実は昔ぼんごを食べたことがあるんですけど、その時は食べた瞬間に美味しかったんですよね。それに近いのがBかなと。Bはずっと食べ続けるのはちょっと厳しいと思いました」
今回は7名が参加し、ご覧のように答えは「4：3」で割れた。首位を走る私（サンジュン）と第2位につける中澤の答えが割れたが、差を広げることになるのか？ それとも首位に肉薄するのか!?
オラオラオラーーーー！
どっちがぼんごなんだーーーー!!!!!
正解は……
B!!!!! Bがぼんごの具無し!!!!!
……マジかよ！ 確かに ぼんごのおにぎりは塩味が薄かったけど、それ以上にセブンの塩むすびには「手作りっぽいムラ」がメチャメチャあった！ 偶然なのか計算なのかわからないけど、これを計算してやってるならセブンすごすぎるだろ!!
不正解で27勝7敗（正解率79.4％）： サンジュン「Aは人が握ったっぽい塩のムラがあった」
正解で22勝6敗（正解率78.5％）： 中澤「確信を持ってBがセブンの味です」
正解で19勝10敗（正解率65.5％）： あひるねこ「Bはあまりにも塩気が無い」
正解で16勝10敗（正解率61.5％）： 和才「お米の立ち具合でBです」
不正解で20勝13敗（正解率60.6％）： 砂子間「Bは思ったよりエアリーじゃなかった」
不正解で16勝15敗（正解率51.6％）： 原田「美味しい方を選んでAです」
不正解で14勝14敗（正解率50％）： 佐藤「Bは若干、冷蔵庫臭がした」
というわけで、ズバッとセブンイレブンを見極めた中澤、見事である。終盤に差し掛かりつつあるグルメライター格付けチェック、栄光を手するのは中澤なのか、サンジュンなのか、それとも……？ 続報を待たれよ。