「またこのおもちゃの喋る声を聞いたら思い出して喜ぶんじゃないか」。老犬のために、壊れてしまったぬいぐるみを新しく手に入れたい、と願う飼い主がインターネット上で助けを求めた。
SOSは意外な形で注目され、紆余曲折を経て思わぬ結末を迎えた。J-CASTニュースは2023年5月9日、「大ごとになったなと凄い驚きました」という当事者に、一連の経緯や詳細を取材した。
「おもちゃの喋る声を聞いたら思い出して喜ぶんじゃないか」
事態が動きだしたのは4月19日。有名配信者がYouTubeで生配信をしている際に、「なるぞう」という象のキャラクターぬいぐるみを探しているとの相談が寄せられた。
依頼人は、愛犬の名前を冠するツイッターユーザー「ぽぽ」(@yorkie_popo)さん。数日前にはツイッターでも探し物を呼びかけており、大して反応が得られない状況だった。ダメ元で試みたという。
配信中、ネットオークションに出品されていると判明し、喜びもつかの間、視聴者らのイタズラ入札が相次いで10円から3000万円以上に上昇してしまう――。オークション品の存在はわかったものの、一旦は入手を諦めざるを得なかった。
ぬいぐるみは元々、10年以上前に2体を手に入れ、犬が毎日一緒に寝るほど大好きなおもちゃだった。全日本教職員組合共済会(全教共済)の非売品で、胴体を押すと「僕なるぞう、いつもそばにいるよ、全教共済」と喋る機能が付いているという。
遊びすぎて音声機能が修復出来なくなり何年も経つ。同時に、今や14歳の老犬は寝ている時間が長くなった。ぽぽさんは「またこのおもちゃの喋る声を聞いたら思い出して喜ぶんじゃないか」との思いで、SNSに頼る前は配布元に問い合わせたりフリマサイトを調べたりしていた。
「他のおもちゃも買ったばかりの時は遊びますが、すぐ飽きてしまうんです。なるぞうはなぜかずっと飽きずに遊んでいました。(気に入った理由は)サイズ的にも口でくわえやすい大きさなのかなっていうのと、音が鳴るってところですかね」