ASUSは11日(台湾時間)、7型のWindows 11搭載ポータブルゲーミングPC「ROG Ally」を正式発表した。価格はRyzen Z1を搭載した下位モデルが599ドル、Ryzen Z1 Extremeを搭載した上位モデルが699ドル。SSD容量はいずれも512GB。なお、米国での発売は上位モデルが先で、BEST BUYでは6月13日に発売される。下位モデルは第3四半期中。
液晶の左右にコントローラを備えたスレート型のゲーミングPCで、AMDと協業して開発したRyzen Z1シリーズを搭載している。Ryzen Z1はZen 4アーキテクチャのCPUとRDNA 3アーキテクチャのGPUを内包しており、GPU性能は下位のRyzen Z1が2.8TFLOPS、上位のRyzen Z1 Extremeが8.6TFLOPSとなっている。
ASUSによれば、2022年時点でのハンドヘルドゲームコンソールのGPU性能は1.6TFLOPSであり、AAAタイトルでは720p解像度で25~30fps程度の性能しかなかったが、Ryzen Z1 Extremeでは1080p解像度で50~60fpsの性能が出せるとしている。
筐体デザインはエルゴノミクスを重視しており、過去5年に渡る開発の中で各ボタンがしかるべき場所に配置されるよう慎重にデザイン。Xboxのゲームコントローラと同じ非対称のジョイスティック配置や、フラットドームデザインのA/B/X/Yボタンを採用。十字キーとA/B/X/Yボタンは1,000万回押下、ジョイスティックは200万回転の耐久性テストをクリアしている。
また、長時間のグリップの汗で筐体が滑らないよう、前面と背面に滑り止めテクスチャを備え、手や腕の角度に合わせ、左右2度の傾斜、手のひらに当たる部分の14度の傾斜を設けた。さらに本体を軽量化するために、ヒートシンクフィンを0.15mmから0.1mmに薄型化したり、軽量なアルミニウムフレームを採用するなど工夫を重ね、608gという軽量性を実現したという。
放熱にもこだわっており、2019年に投入した「ROG Mothership」および2021年に投入した「ROG Flow Z13」で培ったデュアルファン機構を搭載。あらゆる姿勢で性能が出せるよう、重力に影響されず性能が出せるヒートパイプを採用。また、デュアルファン構造としたことで、シングルファン採用のプロトタイプより静音性も高めつつ、高い冷却性も実現したとしている。
外出先の屋外のプレイでも視認性を確保するために500cd/平方mの高輝度液晶を搭載。表面はGorilla Glass Victusを採用し、耐スクラッチ性と耐衝撃性を高めたほか、Corning DXCとよばれるコーティングを施すことで光の反射を抑えて視認性を高めたとしている。
付属するACアダプタはUSB Type-C接続だが、HDMI出力のドック機能も兼ねており、TVやモニターに出力できるのが特徴。このほか、PCI Express 4.0 x4接続のSSD(最大4.5GB/s)、UHS-II対応microSDカードスロットの搭載、LPDDR5-6400メモリの採用、Wi-Fi 6Eの搭載、Windows Hello対応指紋センサーの搭載などが謳われている。
また、既に投入しているPCI Express接続の外付けGPU「ROG XG Mobile」に対応し、デスクトップ並みのグラフィックス性能を達成できるという。ちなみにROG XG Mobileの価格は、Radeon RX 6850M XTを搭載した「GC32」が799ドル、GeForce RTX 4090を搭載した「GC33」が1,999ドル。
ソフトウェア面では、同社のマザーボードやスマートフォンでお馴染みの「Armoury Crate」をベースとしつつ、コントローラやタッチ操作に最適化した「Armoury Crate SE」を採用する。背面のマクロボタンや各ボタンの割り当て、ジョイスティックやアナログトリガーのデッドゾーン、ジョイスティック周囲のAura Sync RGBライティングのカスタマイズなどができる。
また、ゲーム中に呼び出して、プロセッサの消費電力制限を調整する機能、録画してSNSに共有する機能、SteamやEpic Gamesなど複数のゲーム配信プラットフォームでインストールしたゲームを1カ所にまとめてアクセスできる機能などを備える。
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