みんな、イード・アル=フィトルおめでとう!! そう、僕たちムスリムは22日にラマダン月の終わりを迎える。断食とはおさらば、みんなでパーティーだ!
というわけで、断食明けに行われるインドネシアのイード・アル=フィトルがどんなものなのか見てみよう!
・断食の終わり
ラマダンの月を終えると、その終わりを祝うように「イード・アル=フィトル」という大祭があるのだ。インドネシアではこの日を「Lebaran(レバラン)」と呼ぶ。
お祈りをし、親戚たちと集まって過ちを許し合って、一緒にワイワイ食事をして、子どもたちはお小遣いを貰って… とにかく楽しい日だ。
・帰省
レバランになると、「Mudik(ムディック)」といって多くの人が故郷に帰省する伝統がある。聖なる日の喜びを家族と一緒に味わいたいからこそ、皆この時期に実家に帰るのだ。
んで、この「ムディック」が始まると交通がめっちゃ混雑する。そりゃインドネシア中の人間が一斉に大移動するからね
みんな故郷に戻っていくので、都会とかはめっちゃ静かになる事が多い。首都のジャカルタなんかは人気がなくなるほどとか……
・お祈り
1ヶ月間の断食を終え、我々は終わった喜びと、次のラマダンまで元気でいられるよう神様に祈る。これは日本の初詣みたいな感じだと思って良いだろう。
お祈りは朝の午前7時。モスクへ向かうと当然だが人が多い。家族で来るので、車をがズラーッと並んで駐車している。
そして圧倒的な人の数。モスクじゃこの人数を収めきれないので、外でも場所をとってお祈りをする
青空の下での礼拝は本当に良いぞ!
・食す
インドネシアの「レバラン」といえばこの「Opor Ayam(オポル・アヤム)」だ。「オポル・アヤム」とは鶏肉が入った黄色いインドネシア風カレーのこと。
なぜレバランといえばこの「オポル・アヤム」なのかは知らないが、美味いから良い。その他の料理と合わせるともっとうまくなる。
この「オポル・アヤム」は「Lontong(ロントン)」というバナナに詰め込んで蒸したご飯と食べる方が美味い。
日が出てるのにご飯を食べるこの背徳感よ
前の記事でラマダン月になるとお菓子を買う人が多いと書いたことがあるが、見てくれこのお菓子の量を。
これはお客さんをもてなす用のお菓子だけど、もちろんこれも盗み食いする。
そして他の所の親戚に会いに行くとそこでもご飯を用意してくれてる。
断食をしてるのに太っちゃう人がいる原因がここにある。もてなすからだ、そして皆も喜んでもてなされる。僕なんかこの日は通常の倍ぐらい食ったよ。
・許し許され
ラマダン月を終えた我々は神の情けによって素の状態、つまり罪無き身になった。神様に対して行った数多の過ちや罪を、全部洗い流して無にしてくださる。神様は慈悲深いのだ、有り難い。
だが人間どうしの問題は別、これはもちろん人間自らが解決せねばならない。人間に対して過ちを犯したならその人に自ら許しをもらわないといけない。神様は慈悲深いが、人間は違う。
というわけなので、この機会だからこそ皆で集まって今まで犯した罪や過ちを思い出し、本人に許しを乞う。自分もまた他の人の過ちを心から許す。許し合って、人間関係を良くしていく。そして健康を祈り合って、次のレバランも欠けることなくまた会える事を願い合う。
もちろん家族だけではない。ご近所さんにも挨拶して少しお話をする。
ちなみに、インドネシアではこの時他の人に対して「Minal ‘Aidin wal-Faizin(我々が罪なき人間に戻れるように、そして天国を勝ち取る人でありますように)」と言う、加えて「Mohon maaf lahir dan batin(身体、精神ともにお許しを)」というのだ。
・お金!!!!!!!
レバランといえばお小遣い!!! そう、お小遣いもレバランの楽しみの一つ。子供たちは親戚の皆からオシャレな封筒に入ったお小遣いを貰う。このお小遣いはインドネシアでは「Tunjangan Hari Raya(レバラン限定休日手当)」と言い、略して「THR(テーハーエル)」。
もちろん僕も貰ったよ!! 本当ならお小遣いをあげる側なはずだけど、まあ貰えるもんは頂いた方が良いよね。やったぜ子供って最高(?)
・お墓参り
そして故郷への帰省で欠かせない行事、お墓参りだ。亡き愛する人にお祈りと、今年もレバランを迎えることができた喜びと、ついでにお墓周りを掃除する。
というのが、インドネシアのレバランの雰囲気だ。毎年恒例の行事なので、みんな毎年このひと時を楽しみにしている。ラマダーン月もその終わりの大祭も、ムスリムにとってはかけがえのないものの1つだ。
そして僕からも、もし僕が今まで過ちを犯したのなら、それがわざとでもわざとでなくても、どうか許して欲しい。来年のイード・アル=フィトルまでの数ヶ月が、良きものでありますように。
それじゃ、Sampai Jumpa Lagi!!
参考リンク:Wikipedia「イード・アル=フィトル」
執筆:アキル
Photo:RocketNews24