ヤフー株式会社は4月18日、「Yahoo!ニュース」内のコメント(通称「ヤフコメ」)において、多様な意見が表示されやすいようにする独自AI「コメント多様化モデル」を導入した。新しい「おすすめ順」の表示として一部のコメント欄に導入され、該当のコメント欄では、上部に「この記事の『おすすめ順』は、多様な意見を表示しやすくするため新しいAIを活用しています」というメッセージを表示する。
これは、コメントを「おすすめ順」に表示したとき、上位に似た内容のコメントばかりが並ばないようにするための機能。同モデルでは、まず、投稿されたコメントの意味や内容を把握し、類似度によってグループ分けを行う。その後、各グループから代表的なコメントを抽出し、「おすすめ順」の上部に差し込んで表示する。これにより、コメントの内容の多様性を確保するとしている。
Yahoo!ニュースが2023年1月に行った調査において、「新しい気付きを得られるコメント」や「記事に対する他の視点を得られるコメント」が求められる傾向が分かったという。しかし、当時のヤフコメでは、多様なコメントが投稿されても類似した内容のコメントだけが上位に並ぶケースがあったことから、新たに開発したAIモデルの導入により、より多様な意見が上位に表示されやすくなる取り組みを開始したとしている。
ヤフコメでは、2022年8月に、AIにより建設的なコメントを評価する「建設的コメント順位付けモデル」を導入している。ヤフーでは、今回の「コメント多様化モデル」を組み合わせることで、建設的かつ多くの人が共感している意見だけでなく、異なる視点の意見などを知るきっかけの提供を目指しているという。
また、「エコーチェンバー現象」(SNSなどにおいて、自分と似た意見や思想ばかりが表示され、肯定されているのを目にすることで、特定の意見や思想が増幅されてしまったり、それが正しいと思い込んでしまったりする現象)の軽減効果にも期待しているという。両AIモデルを含むコメントの並び順は、ユーザーからの評価などを踏まえて、引き続きさらなる改善に取り組んでいくとしている。