こんにちは、編集部 石川です。
隔週でお送りする「ベスト3を発表します」のコーナー。デイリーポータルZのライター陣に、何でもいいからベスト3を決めてもらうコーナーです。
今回は、多いときで週に2本の記事にくわえ、マンガ連載「土曜のお便り」など、ハイペースで執筆をつづけてくれているトルーさん。「もう何にも思いつかない時のアイデアの出し方ベスト3」を聞きました。
トルーさんが選ぶ「もう何にも思いつかない時のアイデアの出し方」ベスト3
――一時期すごいハイペースで書いてくれてましたよね。よくアイデアが尽きないなと思いました。
トルー:尽きないわけではないんです。ろくなアイデアが出ないけど、締め切りは迫っているという状況がけっこうあります。嘆かわしいことです。
――そういうときはどうするんですか?
トルー:どうしてるかなと思って、よくやることを3つ思い出してみました。
天啓のように良い考えが降ってくるものではなくて、手元にある材料でなんとかする方法を選んでいます。
――楽しみです。では3位からお願いします。
【第3位】
人に話す
信頼できる人(良し悪しの判断が信頼できて、違ったら違うと言ってくれる人)に、現時点で出ているアイデアや、アイデア未満の気になることを話します。
――これはどういう効果がありますか?
トルー:自分はネタにならないと思ったことでも意外と反応が良くて活かし方が分かったり、自分では思いつかない膨らませ方をしてくれて、企画が決まります。
――一人で考えてると袋小路に入り込んじゃったりしますもんね。
トルー:はい、一人で煮詰まらないので健康的。あと、あらかじめ人の反応が分かっていると、撮影や原稿作成の時の参考にもなります。
――いままでだと例えばどういった記事がこのやり方で生まれましたか?
トルー:この記事です。
トルー:担当編集の藤原さんに、「写真撮影で足を肩幅に開いてくださいって言われるけど、自分の肩幅なんて咄嗟に分からなくないですか?」っていうアイデア未満の話をしたんです。
そうしたら「ロボットは仁王立ちしてるけどあれは結構肩幅だ」となり、さらに「そもそもロボットは肩がでかい、箱みたいなの付いてる」となり、最初の話題と全然関係ないこの記事になりました。
――単にアイデアが発展するだけでなく、全く違うところに転がっていくこともあるんですね。
トルー:そうなんです。そうやってできたこの記事はすごく気に入っています。
――次は第2位をお願いします!
【第2位】
昔のメモを見る
今のメモを見て絶望したのちに、昔のメモを開いてみます。当時はボツにしたアイデアの活かし方が今だったら分かる、という現象が起きます。
――やはり「昔の」っていうのがポイントですか?
トルー:はい。ネタに困ってるってことは、最近のメモにはいいアイデアがなかったということですよね?そうやって今のメモに絶望しているときに昔のメモを見ると、宝の山に見えます。
昔のメモを開くだけなので簡単なのも良いです。
――忘れていたネタがたくさん眠っている?
トルー:というより、昔ボツにしたものが今の視点で見るとアリに見えてくるという感じです。しかし宝の山に見えるには現状にしっかり絶望している必要があります。
――こうやって昔のメモを見返して生まれた記事はありますか?
トルー:これです。
トルー:2023年2月の記事ですが、メモは2020年6月ごろのもので、「ランチパックをココナッツみたいに食べる」と書いてありました。そこから、そういえばランチパック気になるなと思って、記事にしました。
――ランチパックをココナッツみたいにってどういうことですか?
トルー:ストローを挿して中身だけ吸いたかったんだと思います。その願望はよく分からなかったので耳を付けました。
――これも、そうやって全然違うところに転がしてもいいんですね。次はいよいよ第1位です!