特に目的もない日曜日。ふだんあまり行かない街・高円寺をぶらついて、目に入った東急ストアに入ってみた。あ、そういえば……この連載『家そば放浪記』が始まってから、東急ストアって初めて行くかも?
あまり期待せずに干そばコーナーに行ってみると、そこには見たこともない蕎麦があるわあるわのテンコモリ! ひさびさの “宝の山” の発見に、私は3000円以上も蕎麦を購入。なかでも特に目をひいたのは──
この赤いパッケージの蕎麦である。干し蕎麦で赤パッケージは見たことない! しかも「タチアカネ」なる呪文のような単語も書いてあるし、なんだかめちゃくちゃミステリアス! まずはコレから食べてみよう。
それではさっそく……
デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……
強火で4分ゆでて……
完成。
して、そのお味は──
とても細くて、歯応えある系。芯の強い蕎麦である。でも最大の特徴は、「甘さ」だ。本当に「甘い」と思った。パッケージにも「おだやかな香りと甘みのそばタチアカネ」と買いてあったが、本当に甘い。
ただ……それ以外は特に印象に残る点は、なかった。
美味しい蕎麦ではある。「家そば」か「外そば」かと問われたら「外」であろう。しかし、そこまで飛び抜けたスターでは無いなと思った。
ちなみに「タチアカネ」とは、そばの品種。蕎麦の花が赤いらしい。なるほど、だから赤いパッケージだったのね。
そして、そんなタチアカネ蕎麦は、東急グループの創始者・五島慶太氏の故郷でもある、長野県小県郡青木村特産なのだそうな。だから東急ストアで売ってたのかなぁ。いろいろ勉強になる蕎麦であった。
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24