AIチャットボットに最適な質問をする職能、年俸4000万円の求人も

CNET Japan

 「ChatGPT」のように極めて有能な人工知能(AI)チャットボットの台頭により、自分の仕事が奪われるのではと心配する人もいる。一方、ChatGPTは新たな役職、しかも高額の報酬をもたらし得る職の需要も生み出している。

OpenAIのロゴと「ChatGPT」の文字
提供:NurPhoto/Getty Images

 ChatGPTにタスクを手伝うよう頼むということは、つまりChatGPTのプロンプト(AIへの指示テキスト)を書くということだ。多くの企業は今、そうしたスキルを持つ人材を採用し、自社のAIの活用とアウトプットを最適化しようとしている。最も重要なのは、その報酬が高額なことだ。

 「AI prompt writers」(AIプロンプトライター)や「AI prompt engineers」(AIプロンプトエンジニア)をGoogleで検索すると、Googleから理想的な結果を引き出すためのプロンプトを策定する専門知識を持つ人材を求めるリストが10件以上表示された。

 AI企業のAnthropicは、「プロンプトエンジニア兼ライブラリアン」の求人情報で、「大規模言語モデルのアーキテクチャーと運用に高いレベルで精通している」人材を募集している。年俸は17万5000ドル~33万5000ドル(約2300万~約4400万円)だ。

 では、企業がこれほど高額な報酬を提示しているのはなぜか?

 ChatGPTにタスクを依頼する場合、大抵はタスクにさまざまな微調整が必要になる。この微調整で時間を費やす可能性があり、業務の効率とアウトプットを低下させかねない。

 また、チャットボットに高度な能力があっても、何を聞けばいいのか分からなければ、そのアウトプットを最適化してビジネスに活用することはできない。

 プロンプトを書くにはスキルが求められる。OpenAIの最高経営責任者(CEO)を務めるSam Altman氏も、そのことを認めるツイートを2月に投稿していた。

 有効なプロンプトを書くスキルは、さまざまな要素で構成されている。具体的には、ChatGPTの技術的な能力について詳しい知識を有すること、チャットボットが理解しやすい正確な言語を使うこと、求めるアウトプットを引き出す正しいコマンドを使うこと、チャットボットに十分な文脈を与えてタスクを理解させることなどだ。

 最適なプロンプトの書き方を身につける一番の方法は、AIチャットボットとのやり取りを大量に行うことだ。しかし、そうする時間がない、あるいは単にしたくないという場合は、経験者がTwitterなどに投稿しているアドバイスを参考にしてもいい。

 たとえ自身のキャリア形成を方向転換してフルタイムのプロンプトライターになるつもりがなくても、そうしたスキルを学び、プロンプトの書き方を向上させることで、ChatGPTとの日々のやり取りからより良い結果を得られるようになるだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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