Art Gallery M84は、2023年5月1日(月)より彩色肖像写真展『明治の女たち』を開催する。
■女性を被写体にした作品約 30点を展示
今回の作品展は、Art Gallery M84の第127回目の展示として実施する企画展。幕末の写真家達が撮った「明治時代」の写真だ。お化粧をしたり髪結したりと、生々しく豊かな表情と当時の暮らしぶりも写っている。今から約100年以上も前の日本で、単に記録では無い演出写真であり、さらに写真といっても白黒だけではなく、明治時代に仕事が減った浮世絵師が白黒写真に手作業で彩色したもの。
浮世絵版画の様に一見同じ様に見えて、同じものが無い。手作業の彩色と相まって芸術作品なのです。女性を被写体にした作品約 30点を展示する。これらの作品は、外国人のお土産用に売っていた非常に高価な「横浜写真」と思われ、当時海外に持ち出されたものだが、それを1970年代のパリで買い戻した日本の方から作品をお借りして展示する。日本に何点も存在せず、市場に出回る事も無く貴重な作品だ。
■芸術作品の位置付けを考えるきっかけにしたい
何故展示するかと言えば、 日本で写真が始まった原点なのに龍馬の写真しか知らず、写真は保管されて無いのかと思っていました。彩色写真は、日本の写真史においてキワモノ(一時的な流行)として、評価されてこなかったようです。幕末・明治期の写真と言えば、日本写真文化の開祖“下岡 連杖“や坂本龍馬の写真で有名な“上馬 彦馬“が代表的で、その陰で長い間、日の目を見ることが無かったのです。
それは、日本が、写真は漢字の真実を写すものと書き、写真は記録であるとしたことに起因しているのではと思います。海外では、「横浜写真」を美術館や博物館などで作品が収集されてネットで閲覧も可能な様に公開もされています。日本でも、図書館や資料館などで多くの写真が資料として保存されて公開されてはいますが、海外で保存されている同じ作品が無かったりします。
1800年代末期の欧州で、写真はその記録性のみが注目され、芸術作品としての認識や評価はなされておりませんでした。そんな中で写真を芸術と認知させるべく、絵画的な写真を目指す動きが広がりました。そのピクトリアリズム活動と長期に渡るフランス写真協会への働きかけの結果、1924年にフランス写真協会はフォト・クラブ・ド・パリと協力して 「写真芸術展」を開催しました。日本の現写真分野において芸術作品の位置付けがどの様になっているのだろうかと考えるきっかけになればと思って開催します。
■展示作品の推定作家
フェリーチェ・ベアト(Felice Beato)、ライムント・ファン・スティルフリート(Raimund Freiherr von Stillfried)、アドルフ・ファルサーリ(Adolfo Farsari)、日下部 金兵衛(くさかべ・きんべえ)、玉村 康三郎(たまむら・こうざぶろう)、鈴木 真一(すずき・しんいち)、内田 九一(うちだ・くいち)など
Art Gallery M84では、「アートを展示する場、鑑賞する場、作品を購入できる場」にとどまらず、アートを楽しみ、アートを通じての自己表現を志す方々が集える場所、アートの可能性を広げていく拠点になることを目指している。プロ・アマを問わず、幅広く作家を紹介する企画を開催していく。
<作品展概要>
名 称 : 彩色肖像写真展『明治の女たち』
作 品 数 : 約30点
主 催 : Art Gallery M84
期 間 : 2023年5月1日(月) ~ 5月20日(土) ※休館日を除く
場 所 : Art Gallery M84
所 在 地 : 〒104-0061 東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階
電 話 : 03-3248-8454
開館時間 : 10:30~18:30(最終日17:00まで)
休 館 日 : 日曜日
入 場 料 : 500円
URL : http://artgallery-M84.com/?p=11054
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