冷媒やコンプレッサーを使用し、熱を「移動させる」ことで効率的に室温調整を行う「ヒートポンプ」のシステムを採用した冷暖房器具「Electric Air」が、テスラで働いた経験もあるエンジニアのクリス・ムイ氏によって発表されました。
Electric Air | Heat Pumps
https://www.electricair.io/
Launch HN: Electric Air (YC W23) – Heat pump sold directly to homeowners | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=35138319
Electric Airは、ヒートポンプによる冷暖房システムに加え、PM2.5と二酸化炭素センサーを備えたサーモスタットと、HEPAフィルター付きの空気清浄システム、湿度を調整するモジュールを備えており、室内の空気環境をより良い状態に保つとのこと。
室温だけでなく二酸化炭素濃度やPM2.5濃度も測定できる「スマートサーモスタット」と連携することで、室内を快適な状態に保てるそうです。
Electric Airは家全体を対象にした全館空調システムで、家全体のダクトに手を加えることで、各部屋の温度を均一に保てます。
ダクトのない家向けには「ダクトレスユニット」が用意されています。
専用のアプリも作られており、冷暖房のエネルギー料金を見たり、消費電力量をライブで確認したり、スケジュールを作成したりできるそうです。
Electric Airはサイズによって価格が異なりますが、最安で1万ドル(約133万円)、最高で1万4000ドル(約187万円)となっています。さらに、もろもろの工事費が上乗せされます。
Electric Airを開発したクリス・ムイ氏は、航空宇宙エンジニアとして働き始め、後にテスラで電気自動車向けのサーマルシステムの設計に携わった人物です。
ムイ氏いわく、ヒートポンプシステムは市場に数多く出回っているものの、サーモスタットや空気清浄機との連携がうまくいっておらず、顧客体験を最悪なものにしているとのこと。
ヒートポンプメーカーは冷暖房以外の機能をすべてをまとめた製品を作るノウハウを持っておらず、家庭用となるとさらにハードルが高くなってしまうそうです。そのため、ムイ氏は製品を一から設計し、住宅用ヒートポンプの普及を加速させることに情熱を傾けているとのこと。
記事作成時点で実物は完成していませんが、工業デザインはすでに完成しており、資金調達が完了し次第、数週間以内に作成できる体制を整えているとのことです。
この記事のタイトルとURLをコピーする