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地球上における生命の起源は、「有機物の反応によって生命が誕生した」と考える化学進化説が一般的な説になっていますが、一部の科学者は「生命の起源は宇宙から地球に到来した」とするパンスペルミア説を唱えています。パンスペルミア説のように、生物が宇宙空間を移動して別の天体に移り住むことは可能なのかについて解説するアニメーションを、イギリスのオープン大学などが共同で作成し、YouTubeで公開しています。
Are we thinking about alien life all wrong? | BBC Ideas – YouTube
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宇宙に存在する地球外生命体の探索は、現代における最も興味深い研究の一つとされています。
インターネット上には、宇宙人が地球に到来し、地球の古代文明を訪問したに違いないと推測する多数の動画が存在します。
宇宙人の訪問と知識がなければ、マヤ文明の神殿といった古代の巨大建築などは建造ができなかったと考える人もいるとのこと。
しかし、この考えには全く証拠がないと考えられています。
宇宙人が過去の地球に来ていたという主張に信ぴょう性はありませんが、生命体が宇宙空間を移動して別の天体に移動できるとする「パンスペルミア説」は、科学者らによって真剣に議論されています。これまでマサチューセッツ工科大学とハーバード大学の研究チームが「別の天体で誕生した生命体が何らかの方法で火星に飛来した」という説を発表しています。
地球上の古細菌やバクテリアなどの微生物は、何百万年にもわたる進化の結果、本来生物にとって有毒な硫黄やアンモニア、マンガンなどをエサとしたり、酸素の有無にかかわらず生存できたりと、さまざまな環境に適応する進化を遂げてきました。
一例として、ピュロコックス・フリオススやサイクロバクター・フリギディコーラのような微生物は、熱水噴出孔といった極限の環境でも生き延びることが可能です。
そのため、これらの極限環境生物は他の惑星や月などの過酷な環境に地球から移動したとしても生き延びることが可能で、生息数を拡大できる可能性が考えられています。
地球上に存在する極限環境生物が、他の天体に移動する手段として最も簡単な方法は、人間の宇宙探索の活動に同行することです。2007年には、NASAの宇宙船の洗浄作業中に、ターシノコッカス・フェニシスという微生物が発見されました。このことから、宇宙船を介して月や火星などに地球の微生物が持ち込まれてしまった可能性が指摘されています。
また、微生物が移動する方法としては、隕石(いんせき)に付着することで別天体に移動することも考えられます。
隕石が惑星に衝突すると、岩石や破片が宇宙空間に放出され、これらがさらに隕石となって他の天体に降り注ぎます。これまでに313個の火星の隕石が地球で発見されているほか、逆に月において地球から飛来した岩石が発見されています。そのため、地球の微生物が他の天体に移動することと同様に、別天体の生物が地球に到達し、生命誕生のもとになった可能性が考えられています。
微生物が宇宙を移動する際の障害となるのが、宇宙空間を飛び交う放射線です。放射線は生物にとって有害な物質ですが、デイノコッカスのような一部の細菌は強い放射線耐性があり、これまでに宇宙空間で最長6年間生き延びたという研究があります。
また、もう1つの問題は隕石による移動には非常に長い時間がかかることです。しかし2020年に日本の研究者らが、海底で1億年にわたって休眠していたバクテリアを目覚めさせることに成功したと報告しました。
確かに、隕石に乗って微生物が宇宙空間を生きたまま移動し、惑星に衝突する際の衝撃にも耐えきるのは困難です。しかし、隕石の割れ目のような場所に生息していれば可能性はあるとのこと。
液体の水や大気があった38億年前の火星の環境は、現在の地球の環境に非常に近かったため、地球から飛来して生き残った生命が火星の地下に存在する可能性が示唆されています。
地球に存在する生物は太陽系内で誕生したものではなく、太陽系外から飛来した可能性も考えられており、2021年に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が深宇宙の生命体の痕跡を探索しています。将来のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の発見によっては、地球の生命の起源について定説となっている科学進化説が覆るかもしれないと考えられています。
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