時代に合った冒険モノにする苦労!
インディ・ジョーンズの最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が6月に公開予定になりました。
前作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開されたのは2008年。15年前っていうとピンとこないかもしれません。今はもうアイアンマン=ロバートダウニーJrくらいしっくりきていますが、2008年は彼を起用したのがリスキーだと話題になっていたころ。そしてジョーカーがホアキン・フェニックスではなくて、ヒース・レジャーだったころです。昔って感じしますよね。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のハリソン・フォードは66歳。そして今は80歳。もう立派なシニア層です。
80年代とは異なる世界観
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のジェームズ・マンゴールド監督には苦悩があったと話しています。それは前作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のときにもあった問題だろうと指摘しているのですが、ハリソン・フォードの年齢についてかと思いきや、そうではなく観客とその時代についてだそうです。
マンゴールド監督はHollywood Reporterの取材に答えています。
「インディ・ジョーンズの最初の3作は1981年、1984年、1989年と同じ時代にシリーズで公開されています。同じ時代なのでアクションのスタイルも一緒で、流れがありました。クリスタル・スカルと新作・運命のダイヤルは時間が空いて次の時代、そしてまた次の時代となっているので、もはや80年代のように善と悪が白黒はっきりしていたフィクションの世界ではないんですよね。聖櫃の争奪したり、遺物を奪い合ったりすることを今の観客はどう見るでしょうか。そういったストーリーを変えることではなくて、インディを取り巻く世界が変わったことを映画で経験させることが重要だと思います」
ストーリーを変えずに、でも観客を置いてけぼりにしない程度の昔の時代で、インディも80歳より若いときの話で、戦える相手を考えたマンゴールド監督の答えは、ナチス残党による陰謀でした。
「身体的にピークのヒーローであるインディと、70歳のヒーローであるインディの違いを観客に見てほしいと思っています。観客がかつて見たインディ・ジョーンズの記憶だけに頼りたくなかった。だから、彼は歳をとって、どう生き伸びて、何を成し遂げたか、それを見せたかったのです。70歳になったインディがニューヨークでひっそりと暮らしていることを見せることで、ちょっとしたいい意味での鞭打ちを観客に味わってもらって、インディへのイメージを再起動させようと思っています。彼がどんな人物だったのか、そして今はどうなのか、いろんなインディを見てもらい、さらに最初の20分で世界がどのように変わったかも見せていくつもりです」
「いい意味での鞭打ち」、鞭を使うインディにはピッタリのフレーズかもしれません。マンゴールド監督は昔のシリーズにしっかりと尊敬を表しながらも、今の時代と観客とにズレがないように現実的でもあり、でもやっぱり冒険をするインディを見せてくれるでしょう。楽しみです。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、6月30日(金)より全世界公開予定です。