特徴的な刀がいっぱい登場する『るろうに剣心』。その中でも、最強のライバル・志々雄真実の愛刀である無限刃は重要な刀と言えるだろう。なにせ、新シリーズの北海道編も無限刃が中心に回ってるようなものだしな。
で、この度、無限刃が刀匠の手によりガチで再現されたという。ジャンプの連載開始時からのるろ剣ファンである私(中澤)。特に、志々雄真実は好きなキャラだ。岐阜だろうが何だろうが行くしかねェェェエエエ!
・メディア内覧会
ガチ無限刃が展示されるのは、岐阜県関市にある関鍛冶伝承館の2階第一展示室。2023年2月18日から3月30日まで開催される企画展示『~剣心VS志々雄~るろうに剣心と日本刀の世界展』だ。
勘の良い人は企画展の名前から気づくかもしれないが、この展示では博物館明治村の『逆刃刀・真打』も展示される。これは、刀匠がるろ剣の刀をガチ再現するという企画の初代みたいなものだが、詳細は以前の記事をご確認いただきたい。
要するに、作中最重要とも言える2本がここにそろい踏みするわけだ。え! ズルイ! というわけで、一般公開前日に開催されたメディア内覧会に行くことにした。
・東京から電車で行く場合
東京から関市までは新幹線を使っても約4時間かかる。メディア内覧会は10時30分からなので私が家を出たのは5時30分だ。
博物館の最寄り駅は長良川鉄道のせきてらす前駅。で、この道中で、東京から来る人に1つ伝えることがあるなら、長良川鉄道は単線で1時間に1~2本しか電車がない。美濃太田まではサクサクいったが、最終的に長良川鉄道の運行スケジュールに合うかどうかでスムーズに行けるかどうかが大分変わってくるので気をつけろ。
・展示は橋から始まってる
さて置き、関鍛冶伝承館は岐阜関刃物会館のさらに奥にあるようだ。そこで奥に続く道を進んでいったところ、お、なんか良い感じの橋がある。コンクリートだけどちょっとるろ剣のオープニングに出てきそうな感じのデザインだ。っていうか……
橋の真ん中に「剣心VS志々雄」展の看板が!
他にも濃州関所茶屋の入り口にも看板が立っており、この橋からすでに展示の世界観が始まっているように感じた。もちろん、関鍛冶伝承館にもデッカイ垂れ幕が。
思わず『そばかす』を歌いあげたい気分になった。まだ関鍛冶伝承館にすら入ってないのにすでに気持ちはサビに突入している。
・展示場IN
前置きが長くなってしまったが、展示場に入ると、手前に逆刃刀、奥に無限刃が向かい合うように配置されている。
さらに、横の壁面には2021年の25周年展示で和月先生が描きおろした剣心と志々雄の「剣闘図」も。るろ剣というだけでなく、展示のテーマがハッキリしているのが良い。
だがやはり無限刃。刃が本当にギザギザになっている。それでいて、遠くから見ると真っすぐに見えるくらいの細かさは本当にマンガから出てきたみたいだ。
刀匠の1人である26代藤原兼房さん的にも、ここは苦労したポイントとのこと。どうやってギザギザをつけたか聞いてみたが「それはちょっと秘密」との返答だった。
・3本目の謎
ところで、さっきから無限刃の奥にチラチラ見えている刀は何だろうか? これまで再現されたのは逆刃刀と無限刃だけのはずだが。っていうか、他にこの2つに並ぶようなものもない気がするが。そこで最後に奥のガラスケースを近くで見てみたところ……うおおおおお!
これ、斎藤一の愛刀の「関の孫六」や!!
そうか。斎藤一は実在の人物だから、こういうことができる。それにしても、リアルとマンガの世界が繋がるみたいな錯覚を覚える空間だ。なんだかみんな実在するみたいじゃないか。
想い出はいつもキレイだけどそれだけじゃおなかがすくわ。ただのノスタルジーではなく、作品の新たな息吹を感じさせてくれる展示であった。
繰り返すが、そんな『~剣心VS志々雄~るろうに剣心と日本刀の世界展』は2023年2月18日から3月30日まで岐阜県関市の関鍛冶伝承館で開催されている。入館料は大人500円、高校生・小中学生200円なので、るろ剣ファンは春休みにいかがだろうか。
参考リンク:関鍛冶伝承館企画展「~剣心VS志々雄~るろうに剣心と日本刀の世界展」
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.