メモ
アメリカ国防総省は2023年2月2日に、アメリカ本土の上空で中国のものとみられる偵察気球を発見・追跡を行い、撃墜を検討していたことを明らかにしました。国防総省のパトリック・ライダー報道官は会見で「現在の偵察気球の飛行経路は軍事的な機密に関わる多くの場所を通ります」と指摘しています。
Chinese surveillance balloon spotted over U.S., Pentagon says – The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/national-security/2023/02/02/chinese-spy-balloon-pentagon/
中国からの偵察気球は、民間の航空機の高度よりもはるかに高い位置を飛行しており、地上の人々の軍事的・物理的な脅威にはならないとされています。また、偵察気球の情報収集能力について、ライダー氏は「中国が低軌道の衛星などから得られる情報よりも多くの情報は収集できません」と述べています。
さらに国防総省は諸外国による偵察活動から軍事機密などを守るための措置を講じていることを報告しています。
2023年2月1日に偵察気球がアメリカ西部のモンタナ州上空で報告された際には、ロイド・オースティン国防長官らによって偵察気球の撃墜が協議されました。モンタナ州には多数の核ミサイルを扱う軍事基地が存在し、撃墜は軍事機密を保護するための措置です。
しかし、「撃墜した場合、偵察気球の破片の落下が地上の人や財産に危害が及ぶ可能性があります」として撃墜を見送ることをバイデン大統領に進言しました。
2月1日にはアントニー・ブリスケン国務長官が関係悪化が進むアメリカと中国関係の安定化を目的として中国を訪問する予定でしたが、出発の数時間前に中国の偵察気球によるアメリカ本土上空の飛行が報告されたとのこと。
中国による偵察気球の飛行はこれまで過去数年で数件報告されていましたが、今回の偵察気球はこれまでの偵察気球よりも飛行時間が長いことが報告されており、軍事的に対立が深まるアメリカと中国のさらなる関係悪化が懸念されています。
アメリカ国防総省は在アメリカ中国大使館や在中国アメリカ大使館を通じて中国側に「今回の偵察気球の飛行は重大な懸念事項です」と伝えたことを明らかにしています。また、今後も偵察気球の動向や進路の監視を続けることを発表しています。
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