つい先日、何も知らずに東北自動車道「羽生パーキングエリア(上り)」に立ち寄ったら衝撃を受けた。SA(サービスエリア)ではなくPA(パーキングエリア)だから、トイレ休憩くらいのつもりで寄ったのに……いきなり江戸の町並みってマジかよ。
どうやら羽生PA(上り)は、池波正太郎の代表作『鬼平犯科帳』とコラボレーションしたPAらしい。2013年12月に「鬼平江戸処」としてリニューアルオープンしたのだとか。せっかくなので、休憩がてらPA内を散策することに。なんかもうスゲエエエエエ!
・羽生PA(上り)がすごい
そもそも「なぜ羽生で江戸なのか?」というと、東北自動車道は江戸時代に整備された「日光街道〜奥州街道」の現代版に当たる高速道路で、羽生PAの近くには江戸の入口「栗橋関所」があったそうだ。
そこで羽生PAを “江戸の入口” に見立てて、江戸にタイムトリップできる施設を作ったという。もっと詳しく言うと、鬼平が生まれた1745年から江戸庶民が華やいだ1829年までの江戸を再現したらしい。
町並みを再現しただけでなく、江戸の食と土産も結集させたのがポイント。聞けば「鬼平が美味いと言った味」が揃っているのだとか。作品ファンからしたらたまらないだろう。
ちなみに「鬼平」の文字は、池波正太郎直筆の『鬼平犯科帳』の “鬼平” の筆跡に忠実に作成したもの。もう完全にテーマパークである。入場無料とは思えないクオリティの高さ。
PA内には “空” があり、さっきまで赤かった空がいつの間にか暗くなっていた。物売りの声が響き、江戸の町にいるような気分になれる。ちなみに夏は風鈴の音も聞こえるそうだぞ。
・江戸グルメ
せっかくだから江戸版ファーストフードもいただこう。私が選んだのは、おめで鯛焼き本舗が提供する人形焼き・たい焼きの店『文楽焼本舗』の「広島風お好み鯛焼き(280円)」だ。「玉子が決め手」と書いてある。
キャベツの上に大きなベーコンをのせて……濃厚な焼きそばもこれから挟むのだろう。めっちゃ美味しそう。
約5分後に受け取ってPA内のテーブルへ。てか、羽生が江戸だと知っていたらもっとお腹を空かせていたのに。次はもっと色々食べよう……と決意して鯛焼きを袋から取り出すと、けっこうデカい。
んで、これが美味かった! さすが鬼平が喜ぶ味。てか、お好み焼きは鯛焼きスタイルで食べても美味いに決まっている。
表面はカリッと香ばしく焼けていて、中はキャベツとベーコンのふんわり食感。濃厚な焼きそばがキャベツの甘みを引き出している。1個でも十分食べ応えがあるぞ。
・一般道からも利用可能
そんなわけで、想定外の江戸小旅行を楽しむことができました。なお「鬼平江戸処」は一般道からも利用できるので興味があればぜひ足を運んでみてほしい。作品ファンや地元の方からしたら、知っていて当然のメジャー観光スポットなのかもしれませんけど、ぜひ!