毎度毎度、丸亀製麺の至高のメニュー『あさりうどん』を激推しする当サイト……というか私(あひるねこ)と先輩記者のサンジュンであるが、実は冬の定番『鴨ねぎうどん』のことも同じくらい愛しまくっている。実際、この両者が丸亀製麺のツートップではないか。
そんな『鴨ねぎうどん』が2023年1月24日、待望の復活を果たしたというのだから落ち着いてなどいられないだろう。全国の丸亀製麺にて期間限定で販売中と聞き、私とサンジュンは急いで編集部最寄りの店舗へと駆けつけたのだが……。
・先日の出来事
ここ数日の尋常ならざる寒さも、すべては『鴨ねぎうどん』復活を彩る舞台装置でしかなかったのか。待望の発売をサンジュンに伝えるべく出社すると、男は何か決意を固めたような面持ちで私の到着を待ち構えていた。
サンジュン「『あさりうどん』は失ったが、俺たちにはまだ『鴨ねぎうどん』がついている。この “渇き” を癒してくれるのは、もはや『鴨ねぎうどん』をおいて他にないのだ」
・悲しき過去
そう、かつてはどこの店舗でも当たり前のように食べられた『あさりうどん』。しかしその販売店舗数は年々減少し、今や東京23区内でお目にかかれる機会はほぼなくなってしまった。これはある意味、文化的損失と言ってもいいのではないか。『あさりうどん』、アイミスユー……。
そんな我々にとっての最後の砦が、先述した『鴨ねぎうどん』なのである。特にここ数年、辛酸をなめ続けてきたサンジュンの『鴨ねぎうどん』への思いは強い。
サンジュン「逆に考えよう。すべては今日という日のための調味料だったんだと。さあ、冷えた体を『鴨ねぎうどん』に温めてもらいに行こうぜ!」
そう言うとサンジュンは、私を引き連れ編集部の最寄り店舗へ向かった。その姿はまさにネギを背負った鴨。鴨ジュンである。そして……
「待たせたな」
なぜか『鴨ねぎうどん』側目線のコメントを残し、ひとり店の中へ消えていく鴨ジュン。
ところがその数秒後!
あれ?
サンジュンさん、どうしたんで……
「っざけんなァァァァアアアア!!」
うわーーーーーーー!
いきなりキレんなーーーーーー!!
店を出た途端、鬼の形相でブチギレ始めるサンジュン。この店に来ると大体キレているような気がするが、一体何が起きたのか。
・またまた悪夢
サンジュンによると、なんとこちらの店舗では『あさりうどん』の時と同様、『鴨ねぎうどん』を販売していないというのだ。な、何だってェェェェェエエエ!? そんなバカな! だって24日発売って書いてあるぞ!?
ここで丸亀公式サイトに掲載されている『鴨ねぎうどん』の販売実施店舗(PDF)をチェックしてみたところ、我々は幾度目かの絶望を味わうことになった。東京都内で『鴨ねぎうどん』を販売しているのは……まさかの18店舗! そのうち23区内は練馬区・足立区のたった6店舗なのだ!!
・どこまでも鬼畜
う、嘘だろ『鴨ねぎうどん』……。23区内で6店舗のみって、そんなのほぼ売ってないようなものではないか。これが……これが人間のやることかよォォォォオオオ!
丸亀製麺の冷酷非道な振る舞いに激昂する私。サンジュンもさぞ怒っていることだろう……と思いきや。男はもはや怒りを通り越し、深い哀愁を全身に漂わせ始めていた。無理もない。
『あさりうどん』と『鴨ねぎうどん』のおいしさを骨の髄まで植え付けておきながら、それを急に奪い取るなんてそんな残酷な話があるか? 人間はなぁ、一度知った温もりはもう手放せねぇんだよ! それが血の通った人間ってヤツなんだよ!!
サンジュン「まあまあ、ねこちゃん(私のこと)。『あさりうどん』も『鴨ねぎうどん』もない人生だけど、頑張って生きていこうよ! だって人間だもの!! な! 元気出していこうぜ!!」
──あ、僕はさっき練馬の店舗まで行って食べてきたので大丈夫です。
ねり!!!!
・安定の一杯
去年は舞茸が入るというサプライズもありましたが、今年の『鴨ねぎうどん』(並・税込740円)はいつもの内容に戻ったようです。ただし、鴨肉は昨年と同じごろっとした合鴨もも肉でしたね。ぎゅっとした歯ごたえで、ジューシーな鴨の旨みが味わえますよ。
実はだしを一口含んだ瞬間「こんなに甘かったか?」と思ったんですが、食べ進めるうちにまったく気にならなくなりました。鴨肉、焼きねぎ、柚子、三つ葉によって形成される鉄壁のテリトリーに引きずり込まれるかのような感覚でしたよ。完全無欠とはまさにこのこと。
僕はうどんを食べ終わった後、だしを飲み干すことは基本的にないんですが、やはり『鴨ねぎうどん』は最後の一滴まで堪能してしまいました。冷えた体に染み入りましたねぇ……。3月上旬まで販売予定とのことなので、サンジュンさんもチンタラやってないで早く食べてきたらどうですか?
「ウ、ウガァァァァァアアアア!!!」
– 完 –