なんでそうなる。
メタバースという世界はいつの日か、スマホ同等に社会にとって重要なものになる!と信じてやまないのは、Metaのマーク・ザッカーバーグCEO。
一方、他のテック企業のみなさんはどこか乗り気ではないようで、ザッカーバーグ氏のビジョンを冷笑するような発言もチラホラ。
とはいえ、一時期爆上がりしていた仮想通貨とNFT市場の盛り上がりを横目に、仮想世界への参入がマストだと思った非テック企業は数多くあります。
未来を見据え、期待をもって参入したのか、なんとなく新しいことやってみたかっただけなのか、その力の入れ具合はわかりませんけれど…。
メタバース・NFT事業への参入を狙った企業の、ちょっとモヤっとする取り組みを集めてみました。
チポトレのブリトーまきまきコンテスト
アメリカで絶大な人気を誇るメキシカンフードのファストフードチェーンChipotle(チポトレ)。
オンラインゲーミングプラットフォームRoblox上で、期間限定のブリトーまきまき体験ショップを展開。コンテストまで実施していました。
プレスリリースには「RobloxのChipotleブリトービルダーは、新しいシミュレーション体験です。メタバースの世界でプレイヤーがブリトーを巻くことで、ブリトーポイントを獲得可能です」と書かれていました。
ちなみに、先着1000個のブリトーポイントは、現実で本物のブリトーと引き換えられたそう。
メタバーススーパーでは…プレッツェルが買える
大手スーパーのAlbertsons(アルバートソンズ)は、メタバースのスーパーでお買い物したものが、リアルのお家に届けられるという企画を実施。
まさに未来のような素晴らしい企画なのですが、メタバーススーパーの品揃えが…。プレッツェルスナック、ピーナッツバタースナック、炭酸飲料のみ。寂しいな。
メタバースファストフード店でウェディング
Taco Bell(タコベル)で結婚式あげるのが夢って人は少なくないようで、実際に挙式OKのTaco Bellがラスベガスにあるほど。で、そのメタバース版企画を昨年やってました。
メタバースTaco Bellウェディングを希望するカップルは、馴れ初めやお互いのことを語った動画で応募するという形式。
ちょっといいなと思いつつ、どうせTaco Bellウェディングやるなら、やっぱりリアルでやりたいなぁ。
未成年は入れない!VRバー
仕事の終わりやゲームのプレイに熱中したあとに飲む冷たいビールの美味しいこと!
でも、アメリカ産のビール、Miller Lite(ミラー・ライト)のVRバーでは、ひえっひえのビール飲むのはアバターなんですよね。
ちなみに、このバーも未成年の入店は不可! あっちの世界でもルールはルール!
現実のバッグよりも高いメタバースグッチ
一時期異常に値上がりしていたNFT。同じくどんどん値上がりしていくラグジュアリーブランドのバッグ。この2つがコラボするととんでもないことになるようです。
昨年、Gucci(グッチ)がRobloxでGucci Townを展開しました。これは、GucciのVRバッグが購入できるメタバース店舗なのですが、そこで売られていたGucciのディオニュソスシリーズの蜂モチーフバッグは35万Robux(ゲーム内の通貨)。
これを円にするとざっくり50万円。同じバッグをリアルで手に入れようと思えば、今ならサイトによっては新品でも30万円弱で見つかるとかなんとか。
Robloxって子ども向けゲームプラットフォームで、ユーザーの平均年齢16歳なんですけど、これどうなんでしょう…。
ただのファミレス料理のNFTアート
米ファミレスのApplebee’s(アップルビーズ)。
メタバースとNFTをごちゃまぜに考えているようです。NFTアートコレクションを「メタバース・マンデイ」と銘打ってリリース。
正直、このNFTアートコレクションはApplebee’sの人気メニューであって、メタバースともマンデイ(月曜日)とも特に関係ないのです。
限定でもなんでもない、ただのステーキやチーズバーガーのNFTを誰が欲しいと思うのでしょうか。
メタバースでスパイスの試食会
世界最大のスパイスメーカーMcCormick(マコーミック)が昨年クリスマスに行った企画、メタバースでのスパイステイスティング。
どうやら、今年注目のスパイスをVRで体験し(味はもちろんわからない)、スパイスやフレーバーについてシェフとおしゃべりなどする、という内容だったようですが…。
試食会とメタバースって今のところ相性いまいちだと思うのですが、どうなの?
銀行機能はない。メタバース銀行
昨年、アメリカの国立銀行、Chase(チェース)が世界初(自称)のメタバース銀行をオープン。
ちなみにオープンしただけで銀行の機能は今のところなし。銀行という建物がメタバース世界にあるだけで、用途としてはラウンジスペースなんですが。
デニムスーツのNFT
ジーンズブランドWrangler(ラングラー)が、昨年、シンガーソングライターのリオン・ブリッジズとコラボしたNFTをリリース。
「Wranglerverse」というイベントも開催するということでしたが、NFTコレクションをリリースしたのは奇しくもNFTの価値が爆下がりし始めた頃。
結果、Wranglerverseは実現されることなく、公式サイトからも抹殺。せつない結果に。
インテリアショップのVR店舗
米の人気インテリアショップWest Elm(ウエストエルム)が、これまたRobloxにバーチャルストアをオープン。
バーチャル家具のほかに、アバター用のロゴTなどアパレルも販売しています。
繰り返しますけど、Robloxってユーザー平均年齢16歳の子ども向けプラットフォームなんですけどね。これ、ターゲットあってます?
ホテルのPR用になぜかNFTをリリース
世界的なホテルチェーンMarriott(マリオット)がPR用にNFTをリリース。
「私たちは、自社のホテルブランドで得られる素晴らしい体験を、成長著しいこのプラットフォームで紹介できることに興奮している」
とマーケティング担当執行役員Brian Povinelli氏はプレスリリースで紹介しています。
ホテルのPRこそメタバースでやることでしょ!と思いますが、到底意味がなさそうな(クオリティも低い)NFTをリリースしてしまいました。気になるコレクションはこんな感じです。
一応使える。アバター用のアパレルNFT
メタバースとかNFTあるある、アパレルに走りがち。
ホームセンターのLowe’s(ロウズ)も、メタバースDecentralandにてアバターが着用できるNFTを1000個リリース。また、自社のメタバースハブで利用できる無料の3Dデジタル素材も500個ほどリリース。
なんだろう、実際に使えるだけマシに思えてきました。
メタバースにコミットしてるMetaですら、メタバースが一体何なのかはホワっとしてるんだもの。いろいろな新しいものを試してみる、担当部署の人も大変なんです。