突然だが、あなたは体育座りをご存知だろうか。昭和、平成育ちの日本人なら誰しもが知っているこの座り方。令和の世になり廃止する学校が増えていることが話題になっている。でも、体育座りを廃止するとしたら、地面に直接座る時どうすればいいのか?
話題の元になっているラジトピの記事には、見直しの理由に「体への負担が大きい」ということが挙げられているが、それを言うなら胡坐(あぐら)だって座骨に体重かかってるし、正座だって足首痛すぎるし。そこで参考までにアメリカ人にこういった決められた座り方があるかを聞いてみた。
・生まれも育ちもロサンゼルス
話を伺ったのは、ロケットニュースの英語版soranewsで記者をやっているケーシーさん。生まれも育ちもロサンゼルスで現在は日本在住のアメリカ人である。
そんなケーシーさんに、体育座りが授業などで地面に座る時に学校で習うものであり、みんな知っているものである背景を説明した上で、同じような座り方はアメリカにあるか聞いてみたところ……
ケーシーさん「最近日本で『体育座りは大丈夫かな?』って話はよく聞くね。
アメリカの場合、体育の授業でそうやって座る生徒はいなくないことはないけど、どちらかというとあぐらをかく子が多い。俺が学生時代は、先生がただたんに『座って』と言い、特にどう座るかに対して指示がなくて『座っている』とみなされるぐらいな姿勢でOKだった。
特別に厳しい学校もあるかもしれないけど、おそらくほとんどの学校は俺と同じく体育座りやあぐらをかくなどは各生徒自分で決めればいいって感じだと思う」
・アメリカの体育の授業
やっぱり自由の国ですね。僕が学生の頃とか、ちょっと三角座りが崩れてたら怒鳴られることなんて日常茶飯事でしたからね。
ケーシーさん「アメリカの学校は大体体育の授業はそこまで厳しくない。体を鍛えるっていうより体の鍛え方を覚える程度、授業の中で実際やっていることに対してはけっこうルースなんだよ。
たとえば俺は高校2年生の時、体育の授業で色々なスポーツをする予定だった。数週間ソフトボール、数週間サッカー、数週間テニスみたいに。しかし学校の設備が足りていなくて、いつだって『設備が足りていないから今日バスケをやりたい人いますか?』と先生が聞いていた。で、俺は毎日指示なしでバスケをやっていた」
──自由ですね~。
・部活の座り方
ケーシーさん「ただ、体育の授業はそんな感じだけど、部活だと決まった座り方……っていうか姿勢はあったよ」
──へー、アメリカにもあるんですね。決められた座り方。それはどんな座り方だったんですか?
ケーシーさん「アメフトを7年間やってたんだけど、選手が集まってコーチの話を聞く時にひざまづく姿勢を取る。『Take a knee!』とコーチが言ったら、全員そうした」
──実際に教わった通り座ってみたところ、座骨にも内臓にも負担がかかっている感じはしない。そもそも、尻が接地してないしな。それでいて、ちゃんと敬意も感じる。
もう全部これでいいんじゃね?
と、思いきや……
膝の皿めっちゃ痛い。
──どんな姿勢でも、重力がある限り、長時間キープしたらどこかに負荷がかかる気がする。はたして、人類は重力を克服する理想の姿勢を発明できるのか? この問題の今後を見守りたい。