横浜市のセンター北にある遺跡公園のそばに、崖に刺さっている鉄の棒がたくさんある。
崖に刺さっている棒ってなんなんだという話なのだけど、桁というか梁というか、とにかく崖にたくさんの鉄の棒が横に刺さっているのだ。説明が難しい。一回見てほしい。
シリーズ・身近な絶景
わざわざ言うほどでもないけどちょっと面白い景色、ついでのふりして人に見せたい景色を短く紹介する記事シリーズです。
記事一覧はこの記事の末にあります。
崖に刺さっている謎の柱と謎の棒
場所は横浜市都筑区の港北ニュータウン。センター北駅のそばである。
さっきの道路沿い、左側に高い崖があるのだけど、その下にある歩道にたくさんの金属製の柱が立っているのだ。
歩道沿いに柱がたくさん立っていて、その上部では横に桁がわたされ、先端が崖に刺さっている。
これ、上のほうが照明になっているのかな……と思うけど、そんなこともない。夜にここを通ったことがあるけど、真っ暗である。
そしてこの柱、立っている間隔も一定じゃない。真ん中でぎゅっと集まっていて、両端にいくほどばらけている。とにかくなんだかわからない。
そもそもあの壁はなんだ
ちなみに、この崖の上には、弥生時代中期の遺跡である大塚・歳勝土遺跡公園がある。
航空写真を見ると分かるのだけど、実はここ、遺跡があったこんもりした山を、港北ニュータウンの開発によってスパッと削った形になっている。
遺跡は残さないといけないけど、この辺に道路も通したい。そんなアンビバレントな思いの果てにできたのがこの崖、そして巨大なコンクリートの壁である。
なんかすごい無理して作った感じがしてきた。ひょっとしてあの棒って、この壁を押さえるために作られたのもの??
気になったので都筑区土木事務所に電話して聞いてみると「構造上それは考えにくいです」だそう。でも、なんのためにあるかは「ちょっとわからないですね……」とのこと。すいませんお仕事中に。
じゃぁこの壁っていつできたのだろう……と、港北ニュータウンの資料を漁ってみると、完成当時の写真があった。
資料によると、この壁(道路擁壁)は最大高さ18m、全長220mという強大なもの。
遺跡への影響を最小限となるような工法を検討し、擁壁の設計に当たっては「景観を重視した構造とするためデザインに配慮」したという。
「なんの意味が」と息巻いていたものが、実は「景観に配慮したデザイン」の可能性が出てきた。なんだか恥ずかしくなってきた。
そして結局、柱の成り立ちは分からないまま。もし完成当時の姿など知っている方がいたら優しく教えてください。
※参考文献
『港北ニュータウン 四半世紀の都市作りの記録』(住宅都市整備公団 港北開発局)
『港北ニュータウンまちづくり館情報ファイル』(住宅・都市整備公団港北開発局)
身近な絶景
友達と歩いてるときに「ねえここの電柱珍しくない?」って見せるような、よく見るとおもしろい景色をとりあげます。あえて「絶景」と呼んでみました。
2022年のゴールデンウイークに集中的に集めて、そのあとは少しずつ追加しています。
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