蕎麦のアンテナを立てていると、なにげないお土産コーナーやスーパーマーケットが、とたんに楽しくなる。もちろん目当ては干し蕎麦である。
見たこともない蕎麦があると大興奮で即ゲット。価格が300円ほどと安いのも気軽でイイ。そして家に持ち帰り実食……と、「見つける楽しさ」「買う楽しさ」「食べる楽しさ」すべてを網羅する良い趣味であると我ながら思っている。
そんな私が今回、長野駅のお土産コーナーで見つけた蕎麦は……
山本食品『田舎造り 信州そば そば粉八割使用』。なんというか、極めてシンプル。パッケージから読み取れるのは「そば粉八割使用」くらいなものであるが、その情報量の少なさが逆に興味をそそられる。
それではさっそく……
デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……
4分ほどゆでて……
完成。
して、そのお味は──
ムムムム! ざらざらとした感触。そばの味。そばの香り。食べ終えた後の「そば食ったな」という満足感。どれをとっても平均以上。これはアリ。山本食品のなかでもベスト3に入るくらい好きかも知れない。
「家そば」か「外そば」なら「外」だろう。こういうお店あるあるある。冷でも温でも美味いと思う。野球に例えるなら、スーパースターではないが、“中堅どころの守備がうまい選手” みたいな、そんな蕎麦。
また、そこそこの蕎麦湯が出るのも好印象。シンプルなパッケージに書かれている情報以上に、いろいろと “楽しめる” お蕎麦であった。人は見かけによらないが、蕎麦もまた見かけによらない。そして、思わぬ出会いが、また楽しい。
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24