歌舞伎も政治も世襲が威張ってるとろくなことは無い

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日本の政治「解体新書」: 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)をタネに深田萌絵さんとの対談。

いつもの深田チャンネルと違うのは小学館のスタジオで収録したものだからで、暖色系で無く真っ白少しブルー系のトーンです。

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テーマは世襲政治家はなぜ駄目なのかと、官僚はなぜ無気力なのかです。

市川團十郎襲名興行の散々な評判でも分かるとおり、世襲は進歩無く親の劣化版やりたいならいいのですが、最高の才能が新しい境地を拓くのは無理です。

オペラ歌手は世襲なんかしません。演歌でもポップスでもチャンスはほかの人より大きいでしょうが親と同じレベルの人気を獲得するのは容易ではありません。ところが、歌舞伎などは団十郎の長男はよほどひどくない限りは跡を継いでトップクラスの歌舞伎役者として扱われます。名前を継ぐというシステムがものをいいます。

もちろん、片岡仁左衛門が兄に五代目片岡我當、二代目片岡秀太郎があったにもかかわらず、襲名したのはあまりにも人気に差があったからだが珍しい。

つまり、歌舞伎なんぞは子供の時から教えたら、たいした才能も容姿などなくても超一流になれる程度のたいしたことない芸事だということです。

料理だってそうで、料理の鉄人、食べログ、ミシュランなどで様子が変わったが、それまでは、老舗ばかりが評価されていました。

かつて、大丸のポール・ボキューズの惣菜売り場で「150年の老舗の味」とプロモーションしてるのを見てびっくり。そりゃ ポール・ボキューズの曾祖父が旅籠屋を始めたのは事実だが、それが20世紀最大のシェフの値打ちの理由ではありません。

日本では科挙もなかったので、トップクラスの知的能力はひどかった。江戸幕府の将軍なんぞ高校生レベルの教育も受けておらず、頭も悪そうでした。

首相にあたる老中も、譜代の中堅大名20家ほどのなかから、少しましなのが交替で就任していただけ。黒船が来たとき究極の世襲政治家だった阿部正弘がしたのはアンケート調査です。

いまの日本の政治は、首相が世襲ばかりですから、江戸幕府と同様のひどさです。その前の時代は、「三角大中福」なんていっていましたが、官僚政治家が主流を占め、それと互角に政策を議論できた三木武夫とか田中角栄とかがそれに伍していたが、いまの永田町では難しいことをいう政治家は主流になれません。

そういう現状を深田さん相手に論じているのですが、「三角大中福」 という言葉を知らないと言われてちょっとショック。たしかに、物心ついたころの首相は中曽根康弘だそうで、残りは死んだり引退していたのだから仕方ない。

ついでは、官僚について議論しています。官僚はそのままでは、あるいは国会議員になっても10数年は大臣になれまぜん。これは、いってみれば、サラリーマン重役というものがいない会社みたいなものです。

官僚はいちおうは、自分の信じるところを実現しようとしますが、どっちにせよ、世襲政治家が主体、あるいは、課長補佐のころあまり出来のよくなかった部下が政治家になって戻ってきて大臣ですから、あまりやる気もでないようで、ささやかな成果で満足してます。

それともうひとつ官僚をだめにしてるのが、事務次官制度です。事務次官は一年か二年で交替です。ですから、大改革は無理です。また、民間会社では5~10年一人が社長ですから誰しもが社長を目指すのでなく、それそれ得意の分野でチャンピオンを目指しますが、官僚はみんな次官、つまりジェネラリストを目指します。

そこでスペシャリストが育たないというのも、霞ヶ関が駄目な理由です。そのあたりを詳しく解説してます。

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