2027年度までのデジタルインフラ整備目標など、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を内閣官房がウェブで解説 

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 内閣官房は「デジタル田園都市国家構想総合戦略」について解説するウェブページ公開した。

 デジタル田園都市構想は、2021年に岸田内閣下で生まれた、デジタルによる地域活性化、および社会課題の解決を図る構想。「地方に都市の利便性を、都市に地方の豊かさを」を実現して、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指すとしている。

 具体的な計画としては、2022年3月に総務省が通信インフラ整備に関する「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」を公開するなどしている。デジタル田園都市国家構想総合戦略は、2022年12月23日に閣議決定されたもので、デジタル田園都市国家インフラ整備計画の内容も踏まえたデジタル関連の取り組みに加え、各府省庁の施策の連携、地域の課題解決、人材育成、「誰一人取り残さない」ためのデジタルディバイド解消のための施策など、取り扱うテーマは多岐にわたる。

 内容は、2023~2027年度の5カ年分のKPIとロードマップを具体的に示していることが特徴だ。公開されたウェブページでは、その概要を分かりやすく解説している。例えば、主なKPIの例として、次の項目を挙げている。

  • デジタル実装に取り組む地方公共団体:1000団体(2024年度まで)、1500団体(2027年度まで)
  • 光ファイバーの世帯カバー率:99.9%(2027年度)
  • 5Gの人口カバー率:95%(2023年度)、97%(2025年度)、99%(2030年度)
  • サテライトオフィス等を設置した地方公共団体:1000団体(2024年度まで)、1200団体(2027年度まで)
  • デジタル技術も活用し相談援助等を行うこども家庭センター設置市区町村:全国展開(1741市区町村)を目指す
  • 1人1台端末を授業でほぼ毎日活用している学校の割合:100%(小学校1万8805校、中学校9437校)(2025年度)
  • 新たなモビリティサービスに係る取組が行われている地方公共団体:70%(約3万5000事業者)(2025年度)
  • 物流業務の自動化・機械化やデジタル化により、物流DXを実現している物流事業者の割合:70%(2025年度)

 このほか、具体的な取り組みの例を「国が提示するモデル地域ビジョンの例」および「国が示す重要施策分野の例」として挙げている。以下に、それらの内容を紹介する。

国が提示するモデル地域ビジョンの例

スマートシティ・スーパーシティ

 AI、IoTなどの技術や大胆な規制改革により、都市機能やサービスを効率化・高度化し、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する。

SDGs未来都市

 SDGsの理念に沿った「経済」「社会」「環境」の三側面を統合した取り組みにより、地方創生を行う。

「デジ活」中山間地域

 基幹産業である農林水産業を軸として、地域資源やデジタル技術を活用し、社会課題の解決と地域活性化に取り組む。

産学官協創都市

 大学を拠点とした産学官連携を進め、大学発のイノベーションの創出や社会実装を促すことで地域活性化に取り組む。

脱炭素先行地域

 再生可能エネルギーやデジタル技術を活用し、産業、暮らし、インフラ、交通などさまざまな分野で脱炭素化に取り組む。

国が示す重要施策分野の例

地域交通のリ・デザイン

 MaaSなど、デジタル技術の活用により持続可能で利便性の高い地域公共交通ネットワークを再構築する。

遠隔医療

 医療資源が限られた地域における医療提供体制の選択肢の幅を広げる観点などから、住民に身近な場所を活用したオンライン診療や服薬指導を推進する。

こども政策

 地域間連携、デジタル化・オンライン化などにより、居住地に関わらず、切れ目のない医療と母子保健サービスが受けられる環境の実現を目指す。

地方創生テレワーク

 地方と都市の差を縮め、活力ある地域づくりにつながる地方創生テレワークの導入・定着をはかり、「転職なき移住」を推進する。

教育DX

 地域独自の学習コンテンツの開発、オンラインによる学校間交流・教育活動の実施などの教育DXを推進し、地方における子どもの教育への不安を解消する。

観光DX

 大阪・関西万博などの機会を捉え、日本全国への誘客を促進するため、受け入れ環境の整備とともに、移動や購買データなどの高度活用などを推進する。

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