私の家には13歳と15歳の老犬が2匹。
トイプードルの親子だ。母と息子の関係。
トイプードルの平均寿命を考えると、どちらも残すところあと少しの付き合いである。毎日が大事だ。
その思いが高ぶって、犬たちとの写真を、犬好きのプロカメラマンさんに撮ってもらうことにした。
ついでに犬の撮り方や、犬と一緒にいる人を撮ってあげる際のコツを聞かせてもらおう!
犬好きカメラマンさんとの出会い
成犬は人の何倍もの早さで歳をとる。
そんな話を動物のお医者さんに改めてされてから、犬たちの残された寿命について考えるようになった。
そんなとき、Facebookで繋がっている犬好きの女性カメラマンさんの飼っているトイプードルのロッカちゃんが急逝した。
うちと同じ犬種で、うちの母犬と同じ15歳だった。
そのカメラマンさんとは以前打合せで1時間ほどしか話したことはない。
だけどその打合せに、カメラマンさんの愛犬たちが一緒に来ていて、以来その2匹のファンになりFacebookの写真を追っていた。とっても可愛いのだ。
ロッカちゃんが亡くなった事を知り、とてもショックだった。
今思えば胸騒ぎだったのか、久々に会いたいなと飼い主さんにコンタクトを取ろうとしていた矢先でもあったのだ。私は、Facebookでたくさん可愛い姿を見せてくれていたロッカちゃんのお別れ会に行くことにした。
悲しみのどん底にいた飼い主さんは、関係性のまだ浅い私だったけれど歓迎してくれた。
最後に動かなくなったロッカちゃんを撫でながら、なんでもっと早く会わなかったのかと後悔したし、それと同時に、やりたいと思ったことはすぐにしなければ、と思った。
思い出の写真を撮ろう
お別れ会の後もFacebookでは飼い主さんがロッカちゃんの写真をあげ続け、思い出を振り返っていた。悲しみと愛情がたくさん伝わってくる。
ロッカちゃんと同い年であるうちの母犬のもこを見やると、ソファの上でスヤスヤと寝ている。
息子のゲンキは散歩が好きで、老犬ながらまだまだ軽快によく歩く。
もうしばらくはきっと、この平穏な日常が続くだろうという気持ちがわく。
だが、ロッカちゃんがそうだったように、うちの犬たちもいつどうなるか分からない。
後悔しないようにたくさんの思い出がほしい。
だんだん、これだけ犬への愛情深いカメラマンさんにぜひ撮ってもらいたいと思うようになった。
カメラマンさんの体調やスケジュールを確認して、撮影を依頼することにした。
人と犬が一緒にいるところを撮るのが好き
撮影当日。
「この重さ久しぶりに感じる」とロコさんは嬉しそうにうちの犬たちを抱いてくれた。
ロコさんは犬好きだが、犬だけではなく「人と犬とのライフスタイル」を撮るのが好きなカメラマンさんだ。
今回は、私があまり機会がないスタジオ撮影を依頼した。
散歩風景など日常を撮影したい場合や、動けなくなった子がいたり、大型犬のためスタジオに連れてくるのが難しいなどの場合は出張コースもあるそうだ。
撮影日が近づいた頃、どんな服にするか、どういう雰囲気の写真にするかなどをメッセージで軽く相談した。初めての人など場合によってはzoomで打合せをするそうだ。
こういう時くらい改まった格好にするか?ちょっと派手目なのいこうか…とか色々悩んだけど、結果的に悪目立ちしないシンプルなシャツに。
また、ロコさんから「メイクは普段より濃い目で。ストロボで色が飛んじゃうの」とアドバイスをいただいた。ただ私のようにメイクが苦手な場合はいつも通りでいいとのことだった。
それよりも、前日に予定外でお酒を飲みすぎてしまったのは後悔だ。顔がむくむので控えた方がいいだろう。
それにしても犬が2匹いるので、目線がなかなか合わない。
しかも老犬のため目が白内障で、母犬のもこは完全に見えていない。息子のゲンキは片方は少しだけ見えている状態だ。(トイプードルは白内障になりやすいのだ)
人間の集合写真のようにはなかなかうまく撮れない。けれど、そんなのは当然、といった風にロコさんは笑顔でパシャパシャと撮り続けてくれた。
たまに、スマホなんかで犬たちと一緒に写真を撮ってもらう機会はある。
でもこうやって、後ろ姿や、顔をギュッと寄せてるシーンを撮ってもらおうという発想が無かった。それに、なんだかちょっと照れてしまうだろう。
でも相手はプロなのだ、と思うと安心して色んなポーズにチャレンジできる。頼んでよかった点である。
撮影してくれた中から、ロコさんチョイスでレタッチしてもらう。
そして後日、現像されたデータが送られてきた。
ではでは、どんな写真ができたのかお見せしましょう!
犬好きのプロに撮ってもらった写真
さすがプロだ。超絶きれいに、そして犬たちと私のラブラブなところを撮ってもらうことができた。
この記事に載せるように縮小しているけれど、納品はもちろん大きいサイズの画像だから、パソコンのデスクトップにもできる。
辛いことがあったときに見返そうと思う。
犬好きのプロカメラマンさんに頼むと良い点
ロコさんに撮ってもらって良かった点を下にまとめてみた。
総合すると「撮影そのものが良い思い出になる」ということに辿り着いた。
・なんせ犬好きなので楽しそうに撮影してくれる→こっちも楽しくなる。
・犬に慣れているので扱いが上手
・人間と違って思い通りに撮影できないのを理解している
・「座った方がわんちゃんと近くなるので座ってみて」など犬と良い感じになる写真が撮れるようアドバイスしてくれる
・「いい子!すっごくいい子!」と褒めてくれる(私の事かな?と思ったが犬のことだ)
・犬の話で一緒に盛り上がれる
思えば小さい子供との写真もきっとそうなのだろう。
子供好きなカメラマンの方が場はなごむし、より良い写真になりそうだ。
撮影後、せっかくの機会なので犬を撮影する時のポイントをいくつか伝授してもらった。
犬を撮る時のポイント
・慌てずお犬様ファースト
犬の負担を考えて、やみくもに撮らない。
自分の犬であれば色や大きさが予め分かっているのだから「ここで撮ろう」と背景を決めてから犬を連れて行くといい。
犬は子供と一緒で待つのが苦手というのを理解しておく。
・音で目線をゲット
音の鳴る玩具を使ったりいつもと違う声を出してみると目線がもらえる。でもやりすぎると慣れてしまい向いてもらえない。また、音に頼りすぎると「え!?」という顔ばかりになってしまうので気を付ける。
・背景を意識する
背景の水平と垂直を意識する。
とても初歩的なことだけど、意外と背景が曲がっているものをあげている人が多い。あえてずらしているのならいいけれど、後ろにある電柱や柵などが曲がっていると違和感を感じてしまう。
世の中には建物や地面など直線が多いので、それを参考にして撮影する。少し意識するとだんだん直っていきます。
・犬だけを見ない
ゴミ箱やポイ捨て禁止の看板やパイロンなど、余計なものが写っていない状態にする。まちの雰囲気を撮る目的なら問題ないけど中途半端に「入っちゃった!」は避ける。
犬を連れている人をとりたい場合
・犬と顔を近づけてもらう
人と犬の表情で親密さや楽しさが伝わる。
大きい犬の時はしゃがんだり、肩を組むなどして顔を近づけてもらう。
・立ったバージョンも撮る
犬が見上げている姿がかわいいので、散歩しているような普段の姿を撮ってあげる。上記の顔を近づけた写真と立っている写真の両方を撮ってあげるのがベスト。
・上から以外も撮る
犬を撮る時つい上から撮りがちになる。
しかし地面だらけの写真になってしまうので、スマホであればレンズを下に向けて地面を少なくしてあげるといい。
でも作品作りとはちがう。プライドはいらない
私のために上記のように色々ポイントをあげてくれたが、ロコさんは「大事な瞬間を逃すくらいだったら、地面が多かろうが背景がなんだろうがトリミング前だろうが撮ってほしい」と言っていた。
日々の犬を愛しいという気持ちが勝つものだから、と。
確かにそうだ。
きちんとした写真を撮りたいなら、プロカメラマンのロコさんに頼めばいいのだ。
【取材協力】
フォトスタジオ Atelier H.R.K(アトリエシェルカ)フォトグラファー Roco
http://a-hrk.com/
プロによるスタジオならではの本格的なライティングでの撮影は、女性のポートレート撮影にも最適。
人も犬も楽しく美しく撮りますので気軽にお声がけください。
不安な方は撮影前のカウンセリングもありますのでご心配なく。
ファッションアドバイスもいたします。
とっておきの一枚を撮りにいらしてください。
もことの最後の写真になった
この撮影があったのは3月13日。
そして約1か月後の4月11日、母犬のもこは本当に突然、他界してしまった。
朝までいつも通りおとなしく寝ていたのだけど、ふと立ち上がった時の様子がおかしく見えてそばにいることにした。そして数時間後、最後は私のひざの上で息を引き取った。
つらい。
つらいけれども、やっぱりあの時先延ばしせず撮っておいてよかった。
写真のなかの私たちはずっと(犬たちもきっと)、幸せだ。
うちの犬たちが出てくる記事、良かったら見てください。超可愛いから