動画
お金を入れた分だけ通話できる公衆電話はかつて街中や建物内の至る所にありましたが、携帯電話やスマートフォンの普及に伴って姿を消しつつあり、2022年5月にはニューヨーク市で最後の公衆電話が撤去されました。そんな公衆電話を自費で設置した上に無料で使えるようにした男性が、アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィア市に現れました。
PhilTel Brings Back Pay Phones Without Change in Philly – NBC10 Philadelphia
https://www.nbcphiladelphia.com/news/tech/pay-phone-philadelphia/3452775/
This Philly Guy Is Trying to Bring Back the Pay Phone Without the Pay Part – YouTube
[embedded content]
現代では街中で公衆電話を目にすることがかなり少なくなっており、若い世代では「一度も公衆電話を使ったことがない」という人も珍しくありません。また、公衆電話を使ったことがある世代でも、最後に公衆電話を使ったのはかなり昔だという人が多いはずです。
アメリカでも公衆電話は次々と姿を消しており、すでに思い出の中にしかないものになりつつあります。
フィラデルフィア市在住のマイク・ダンク氏は、近年では仮に街中に公衆電話があったとしても、それが本当に使えるかどうかは触って確かめないといけないと指摘。
そこでダンク氏は、フィラデルフィア市内に無料で使える公衆電話を設置する「Philtel」というプロジェクトを立ち上げました。
現代では誰もがスマートフォンを持っているように思うかもしれませんが、少ないながらも携帯電話やスマートフォンを入手できなかったり、経済的な事情から電話をかけるのさえ難しい人々が存在します。そのため、ダンク氏は誰でも無料で使用できる公衆電話を設置することが、コミュニティに利益をもたらすと考えています。
ベースとなる公衆電話は、ダンク氏が10年前にフリーマーケットで購入したもの。
内部にはPhiltelが開発した専用のチップが内蔵され、利用者は北米内なら無料で電話をかけることができます。
Philtelは2022年12月17日に、最初の無料公衆電話をチャイナタウン地区にあるIffy Booksという書店に設置しました。
なお、利用者自身が電話をかけるには料金がかからないものの、必要コストはダンク氏のポケットマネーでまかなわれています。設置する公衆電話1台につき300ドル~1000ドル(約4万円~13万円)がかかるほか、通話時間ごとにいくらかの費用が必要とのこと。
ダンク氏は、善意の人々からの寄付にも期待している一方で、たとえ寄付がなくても自己負担額はそれほど高額にはならないとの見通しを語っています。
ダンク氏はあらゆる地域に公衆電話が再び設置されることを願っているほか、現代の子どもたちが公衆電話にどのような反応を示すのか、そして親がどのように使い方を教えるのかにも興味があるとのこと。「かつてはどの地域にも存在したこのような古風なプロセスが、どのように機能するのかを見たいのです」と、ダンク氏は述べました。
この記事のタイトルとURLをコピーする