今でこそすっかりお馴染みになった「チキン南蛮」は、宮崎県発祥の郷土料理である。全国区のグルメになったのはここ10年ほどだろうか? 私、P.K.サンジュンは「クッキングパパ」でチキン南蛮の存在を知ったなぁ……。
それはさておき、居酒屋や定食屋など、今ではチキン南蛮を提供する店も多くなってきたが、あなたは「専門店のチキン南蛮」を召し上がったことがあるだろうか? 実は今年9月、秋葉原にチキン南蛮の専門店が誕生していたのである。
・いまや全国区のメニュー
カラッと揚げた鶏肉を、甘酢あんとタルタルソースで味付けしたチキン南蛮。ボリューミーかつわんぱくな味付けは特に若者に好まれる要素満載で、今では弁当や総菜、居酒屋のメニューなどなど、多くの店で取り扱われている。
一方で、都内に「チキン南蛮専門店」はあまりなく、もしかしたら宮崎県の郷土料理とご存じない方もいらっしゃるハズ。また、個人的には「本場のチキン南蛮ってそんなに味が違うの?」と思わなくもない。
要するにチキン南蛮は料理そのものが優秀なため、特に専門店に食べに行く必要がないのでは……? 少なくともチキン南蛮専門店が無いせいで、不利益をこうむった経験は今のところない。ところが……。
・秋葉原にオープン
2022年9月にオープンした『ひむか食堂』は “チキン南蛮” の看板を高らかに掲げる、都心では珍しい専門店である。中央通り沿いに面していることもあり、かなり目立つ店構えといえよう。
ひむか食堂は宮崎出身の店主が作る「宮崎の調理法で揚げたチキン南蛮」とのことで、お店の中ではチキン南蛮が誕生したいきさつが紹介されていた。それによると余りがちだった胸肉を美味しく食べる料理としてチキン南蛮が誕生したのだとか。
また、当初は甘酢あんだけだったものの、タルタルソースを加えた店が出来た……等々、チキン南蛮の歴史が記されていた。その伝統の味を継承しつつ、12年の歳月をかけて完成したのが『ひむか食堂』のチキン南蛮だという。
で、今回は「若鶏のむね肉使用 本場宮崎のチキン南蛮定食 一枚肉(1300円)」をオーダー。また「定番もも肉(300円)」を追加した。果たして本場のチキン南蛮は、どんなお味なのだろうか?
・マジかよ
さっそくいただいてみると、胸肉なのにビックリするくらい柔らかい! それでいてパサつきも無い!! 衣は甘酢あんに浸しているせいかカリカリ感はゼロで、むしろしっとりとした口当たりだ。
甘酢あんとタルタルソースは主張しすぎることもなく、たんぱくな胸肉の風味をかき消していないところもスゴイ。これが本場のチキン南蛮なのか……! 私が今まで食べて来たから揚げ系のチキン南蛮とは全くの別物であった。
まあ、あれはあれで美味しいので別にいいのだが、ひむか食堂のチキン南蛮は感動的なほど胸肉が柔らかいことが最大の特徴である。もちろん「定番もも肉」も美味しかったが、本場っぽさをより感じられるのは胸肉の方だろう。
・早くも人気店に
ついでに言っておくと、ひむか食堂はオープン3カ月にして早くも秋葉原の人気店となっている。昼どきは行列もあたり前で、女性のお客さんが多いことも印象的であった。そうそう、途中からゆず胡椒を付けて食べるとまたウマいんだよな~!
とにもかくにも、都心では珍しい「チキン南蛮専門店」が早くも秋葉原で流行しかけている。特に胸肉のやわらかさには感動すること必至なので、興味がある人は1度『ひむか食堂』に行ってみてくれよな!
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 ひむか食堂
住所 東京都千代田区外神田3-16-13
時間 ランチ11:30~15:00 / ディナー18:300~20:00
休日 年末年始