マップボックス・ジャパン合同会社は12月5日、地図開発プラットフォーム「Mapbox」において、日本エリアにおける標高データのタイルセットを高精度化し、国土地理院が公開する数値標高モデルを利用したアップデートを実施した。この地形データは、地図編集・作成ツール「Mapbox Studio」にて無料で利用できる。
Mapboxの地形データはこれまでグローバルでカバーされているSRTM(Shuttle Radar Topography Mission)を利用していたが、SRTMは30mタイルで、DSM(Digital Surface Model:数値表層モデル)であるため、都心部の高層ビルが立ち並ぶエリアでは利用が不向きなことに加えて、山間部の表現も粗い精度となっていた。
今回のアップデートでは、国土地理院の数値標高モデル(5mタイルおよび10mタイル)をMapboxの標高ラスタータイルへ変換することにより日本エリアの地形データを刷新した。高精度な5mタイルのデータをベースに、データ欠落などの不完全な部分を補完するため、10mタイルを利用して形状や属性の整合を図り、違和感のない3D地図として仕上げている。
これにより、SRTMに比べて高精細かつ正確な3D地図表現が可能となり、山や渓谷の様子が明確になったことに加えて、河川の堤防や城の堀、棚田などの表現も可能となった。また、ナビゲーションルート上の標高差の変化の可視化や計算が可能となるほか、低燃費ルート計算などへの貢献も期待できる。