侍ジャパンに、頼もしい男が加わる。パドレスのダルビッシュ有が2022年12月6日、自身のツイッターを更新。侍ジャパンの栗山英樹監督と笑顔で握手を交わす写真を添付し、「栗山監督に『来年のWBCに出場しなさい』と言われたので出場します」と来年3月開催の第5回WBCに出場する意思を示した。
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ダルビッシュ有(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
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ダルビッシュ有のツイッター(@faridyu)より
「抑えの可能性もゼロではない」
今季はメジャー移籍1年目に並ぶ自己最多タイの16勝をマーク。常時150キロを超える直球に多彩な変化球を駆使した投球は、芸術の域だった。先発ローテーションで1年間稼働し、5年ぶりの2ケタ勝利と充実のシーズンだった。メジャーの強打者たちと対峙し、実績を残してきたダルビッシュの存在は頼もしい。WBCは09年の第2回大会に出場している。大会当初は松坂大輔、岩隈久志と共に先発3本柱で期待されたが、準決勝、決勝で抑えに抜擢されて世界一に大きく貢献している。
スポーツ紙記者は、ダルビッシュの起用法をこう占う。
「順当に考えれば先発でしょう。WBCに参戦の意向を表明している大谷翔平は体にかかる負担を配慮し、打者に専念する可能性が高い。山本由伸、佐々木朗希と共にダルビッシュは先発の軸になる。ただ抑えの可能性もゼロではない。守護神の最有力と目される広島の栗林良吏は東京五輪の金メダル獲得に大きく貢献したが、今回のWBCにメジャーの強打者たちが続々と出場を表明しており、東京五輪より打者のレベルが大きく上がる。準決勝、決勝は栗林をセットアッパーに据え、ダルビッシュで最後を締めるケースが考えられます」
9回の3つのアウトを取るのが野球で最も難しいとされる。日の丸を背負い、国際試合でかかる重圧は計り知れない。栗林、DeNA・山崎康晃、巨人・大勢が抑え候補になると見られるが、栗山監督はどのような決断を下すか。ダルビッシュの起用法と共に注目される。(中町顕吾)