せんべいになれず、せんべいの副産物にもなれなかった健気なお菓子「みすてないで」。
ただでさえ緩衝材やティッシュのような食感の「天使のはね」シリーズだが、その中身はどんなものだろうか。
「天使のはね」というお菓子をご存じだろうか。
以前パリッコさんも推していた、沖縄の新名物である。
発売元は丸吉塩せんべいという、おせんべい屋さん。「天使のはね」はせんべいを作る工程で生まれたものだそうで、沖縄で人気のお土産となっている。
パリッコさんが推している記事でも言及されているが、食感がかなり独特だ。たとえるなら塩味のポップコーンの、一番やわらかいところの寄せ集め。悪くいうと緩衝材を食べているような気分になる。でも、ほどよく塩味が効いていておいしい。
(パッケージには「ビールのおつまみにヨシ!」とあるが、酒を飲みながらこれを食べたら見失うと思う。)
そんな丸吉塩せんべいには、知る人ぞ知る名品がある。それがこちら。
・せんべいになれなかったよ!
・はねになれなかった!
\でも おいしい!/
すごい名前だ。
紹介文から察するに、せんべいの副産物である天使のはね、その規格にすら合わなかった部分をまとめて「みすてないで」という名前で販売しているようだ。
自らが「何者にもなれなかった」と公表しながら、「でもおいしい!」と言えるけなげさに、つい買い求めたくなってしまう。わたしは君のことを見捨てないよ。
天使のはねが「ふわとろ…」という食感だとしたら、みすてないでは「サクふわ…」という感じ。やわらかめのおせんべいに近いが、それゆえに味はいい。
見た目のふわふわ感や色からも、両者が別物であることはわかる。が、「みすてないで」の中にもたまに「お前ははねになってもいいんじゃないか!?」といえる個体があり、宝探しのような気分だ。
「みすてないで」を食べれば食べるほど、「おいしいよ!元気出して!けっこうはねになれてるよ!いい感じ!!」と応援したい気持ちが高まる。お菓子を食べた感想が「応援」になるという体験は独特なので、ぜひ食べ比べてみてほしい。沖縄の物産展や、沖縄食材ショップなどで手に入る。