KDDI、au通信網で衛星インターネット「Starlink」をバックホール回線として利用開始 同時に提供開始した衛星通信ソリューションを清水建設が北海道新幹線工事に採用

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Starlinkを初島のau基地局で利用開始(サービス提供開始記念セレモニーの様子)

 KDDI株式会社は、au通信網のバックホール回線に衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」を使った基地局の運用を12月1日に開始した。基地局の設置場所は静岡県熱海市の離島である初島。今後、これまでサービス困難とされた山間部や島しょ地域のほか、災害対策などの基地局も含め、全国1200カ所に順次拡大するという。

 Starlinkは、イーロン・マスク氏が創業した米Space Exploration Technologies (スペースX)が開発・運営する。地球のほぼ全域に衛星ブロードバンドインターネット接続サービスを提供しており、ロシアによるウクライナ侵攻にあたり、ウクライナ支援のため無償提供されたことでも注目された。通信衛星は高度550kmの低軌道上に配置しているため、従来の静止軌道衛星に比べて地表からの距離は1/65程度と近くなり、低遅延と高速伝送を実現しているという。

KDDIの代表取締役社長 髙橋誠氏(左)と、スペースXのStarlink営業担当副社長 ジョナサン・ホフェラー氏(右)

 KDDIでは、2021年9月にStarlinkと業務提携。技術検証を行い、au基地局のバックホール回線に必要な遅延や帯域容量など技術的なガイドラインを満たすことを確認し、光ファイバー回線を使ったau基地局と遜色ない品質をユーザーに提供できることも確認したという。

 今後は光ファイバー回線を使ったau基地局に加え、山間部や島しょ地域など光ファイバー敷設しづらい地域を補完し、auの高速通信エリアを広げるとしている。

Starlinkによる基地局は1200カ所以上順次拡大

アンテナピクトが立っている様子をスクリーンに投影

 同時に、KDDIは企業や自治体向けにStarlinkをバックホール回線としたau基地局の構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を提供開始した。従来、通信が難しかったエリアで音声通話や緊急通報、さらにIoT機器やクラウド、ドローンなどのソリューションを導入可能にする。

 同サービスは、清水建設株式会社が採用し、12月19日から北海道新幹線渡島トンネル上二股工区(北海道八雲町など)で運用を開始する。現場は新函館北斗駅と新八雲駅(仮称)の間の山間部。

北海道新幹線 渡島トンネル上二股工区 工事現場

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