Corningが新たに発表した強化ガラスの性能が同社の主張通りならば、皆さんが次に手にするスマートフォンは、コンクリートに落下させても、その衝撃にこれまで以上に耐えられるものになるかもしれない。
提供:Corning
Corningは米国時間11月30日、スマートフォン向け強化ガラスの最新版となる「Corning Gorilla Glass Victus 2」を発表した。より粗い表面への落下耐性が向上しているという。
この発表が重要なのは、Corningの「Gorilla Glass」シリーズが、サムスンやGoogleなどが販売しているスマートフォンの人気モデルに採用されているからだ。そのため、この発表から2023年に発売される新機種の姿をある程度予想できる。Corningはさらなる詳細については明かせないとしたものの、最新版のGorilla Glassを採用した製品の第1弾は、今後数カ月以内に登場するはずだ。また、耐久性を高めたConingのスマートフォン向けガラスは、環境と経済の両方にまつわる理由から、モバイル機器の使用期間を延ばそうとする動きに再び関心が集まっている中で、市場に登場することになる。
現行のGorilla Glassと新製品のGorilla Glass Victus 2の大きな違いの1つは、新バージョンではより粗い表面への落下耐性が向上したことだ。Corningによると、Gorilla Glass Victus 2はラボでの実験で、コンクリートを模した表面に最大1mの高さから落下させても耐えることができた。これに対し、現行のGorilla Glass Victusの開発時に行われていたのは、アスファルトを模した表面での実験だった。
実際のコンクリートではなくコンクリートを模した素材を使うのは、現実の世界で使用されているコンクリートの場合、繰り返し落下試験を行うことで劣化するからだと、Corningは説明している。
また、Gorilla Glass Victus 2は、より大きくて重いスマートフォンに対しても、より強化された保護性能を提供できると、Corningは述べている。同社は、デバイスが大型化している昨今の状況をより正確に反映するため、テストの過程で実際のスマートフォンのサイズと重量を模すために使用しているテストパックを15%近く重くしたという。したがって、重さ263gの「Galaxy Z Fold4」のような折り畳み式スマートフォンの場合、新しいガラスは特に有効かもしれない。ストレート型の「Galaxy S22 Ultra」の228gと比較しても、折り畳み式モデルの重さは際立っているからだ。Galaxy Z Fold4のメインディスプレイと背面には、サムスンの「Galaxy」シリーズデバイス専用に作られた「Corning Gorilla Glass Victus+」がすでに使われている。
Corningのモバイルコンシューマーエレクトロニクス部門でシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるJohn Bayne氏によると、同社は通常、1年半~2年ごとにガラスの新製品を発表している。Gorilla Glass Victus 2は、消費者が同じデバイスをより長く使い続けるようになり、さらに耐久性の高い製品が求められている中で登場することになる。
デバイスの下取りプロプラムを開発する企業を支援している、保険会社のAssurantが公開したデータによれば、今の消費者が新しいスマートフォンにアップグレードするためにそれまで使ってきたデバイスを下取りに出すまでの期間は、平均で3年半に及ぶという。また、電子機器の修理を手がけるuBreakiFixが2021年に公開したレポートによれば、米国では毎秒2台のペースでスマートフォンの画面が割れているとのことだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。