今度はワカメを採ってきました。
先日、千葉の海までノリを採りに行った話を書いたのだが、それを見た知人から、「ノリもいいけどワカメもいいよ」と、ワカメの採れる場所が書かれたメールが送られてきた。
その場所は東京湾の工業地帯にちょこっとだけ残された砂浜で、この時期の干潮時にだけワカメを採ることができるらしい。
ワカメが生えている場所自体は千葉や神奈川でもちょっと遠くまで行けば結構あるのだが、基本的に漁業権で保護されているため、一般人が採ったら犯罪になってしまう。
しかしこの場所は、前回のノリ同様、開発のために漁師達が漁業権を放棄したエリアなので、私がワカメをとってもOKなのだ。採れればだが。
ワカメが好きかと言われるとなんともいえないのだが、ワカメが採れると言われればいきたくなる性分なので、ちょっくらいってきた。
※漁業権が設定されている場所で勝手にワカメを採ることは法律で禁止されています。
※2007年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
本当にワカメが生えているのだろうか
休日の昼間、友人に車を出してもらって、ワカメマニアの知人から送ってもらった地図を頼りに、現地らしきところまでやってきた。
いそいそと海の正装、ウェーダーを履いて、早速海へと向かう。目指せワカメラーメン。
今回ワカメを採りに来た場所は、周囲には工場しかないような寂れた海岸。岸壁で釣りをする人達が数人いたが、魚が釣れている様子は全くない。海鳥すらいない。
子供が一人、砂浜で遊んでいるのだが、ワカメを採っている訳ではなさそうだ。季節の問題もあるのだろうが、ここは生き物の気配がすごい薄いのだ。
ワカメ、本当に生えているのだろうか。
海へと入ってみる
この海のどこにどうワカメが生えているのかがよくわからないのだが、とりあえずズブズブと海へと入ってみることにした。ここでワカメ採りをしている人はこの海に誰もいない。不安だ。
ところでウェーダーを履いて海にはいるのは久しぶりなのだが、水圧でウェーダーが押されて足が圧迫されて楽しい。
どこだ、ワカメは。
海藻はいろいろ生えている
ワカメを探して水中を見ながらウロウロしていると、いろいろな海藻が生えていた。
まず目に付くのが、どうみてもワカメっぽい緑色の海藻。艶、色、質感、どれをとってもワカメサラダに入っているワカメっぽいのだが、これは確かアオサという海藻だ。前回のノリ摘みの時に学習しておいてよかった。
そしてワカメというよりも昆布っぽい、煮て食えば美味しそうな海藻も生えているのだが、ワカメは見あたらない。
ところでワカメってどんな姿だっけ?
ワカメらしき海藻発見!
しばらく海をウロウロして、水深50センチくらいのところでようやくワカメらしい海藻を発見した。
なんとも地味な色だが、確か茹でる前のワカメはこんな色だったはずだ。小学生の頃に図鑑で見たような気がする。
ドキドキしながら、まだ4月の冷たい海に手を突っ込み、ナイフで根本を切ってワカメを収穫。まだ時期が早いからか、ここの水深が浅いからか、採れたのは小さめのワカメだった。
若めのワカメだ!
コツがワカメ、いや、わかれば大丈夫
どれがワカメなのかを理解したら、簡単にワカメが見つかるようになった。だいたい5メートル間隔くらいで生えているので、水深が肘より深くない所に生えたワカメだけを選んで(濡れたくない)、ウハウハ笑いながら収穫して歩く。
こういう食べられるものを収穫する遊びって、クラゲでもシジミでもマテガイでもワカメでも、なんでも楽しいな。年中こんなことばっかりして遊んでいたいよ。
そして携帯を海に落とした
友人とワイワイとワカメを採っていた時、携帯が鳴ったので出ようとしたら、ポチャンと海に落としてしまった。
「あ!」っと思ったけれどよく考えたら防水の携帯だったので全然大丈夫だった。落としたついでに携帯でワカメを水中撮影をしてみた。
今回は携帯だけを水中に突っ込んで当てずっぽうに撮影したが、ちゃんと自分も潜って液晶を覗きながら撮影すれば、結構ちゃんと撮影できそうな感じだ。今度じっくりやってみよう。
ワカメ収穫終了
海に入って1時間もしないうちに、私と友人が食べるには充分な量のワカメが採れたので、今日の収穫は終了とした。採ろうと思えばまだいっぱい採れたけれど、いくら漁業権のない場所といっても、乱獲していい場所ということではないしね。
さあ、家に帰って早速食べましょう。
ワカメを茹でる
ワカメの食べ方をちょっと調べてみたのだが、軽く洗ったらサッと茹でて冷水で冷やせばいいらしい。念入りに洗ってザクザク切って巻き簀に広げて天日で乾かして炙らなくてはいけないノリに比べて、なんと楽チンなことだろう。
そんなわけで、大鍋にお湯をたっぷりと沸かして、洗ったワカメを茹でます。
茶色いワカメをお湯に入れた途端、瞬時に鮮やかな緑色に変わった。今回のワカメ採りに同行した友人は、ここでようやく「やっぱりワカメだった!」と安堵していた。
とりあえず食べよう
茹でたてのワカメ、もう今すぐ食べたい。いろいろと料理をするのは後にして、とりあえず適当に刻んで酢醤油におろし生姜でさっさと食べよう。
なんだこのワカメ。シャッキリして香り高く、ものすごくうまいじゃないか。前回のノリもうまかったがワカメもうまいや。さすが若めのワカメ。茎の部分まで柔らかくて美味しい。
あんまりうまいので、この写真の量を一人で一気に食べてしまった。
ワカメ定食
シンプルに刺身で食べても充分美味しいけれど、せっかくなのでちょこっと料理してみた。
料理といっても、そのまま食べて充分美味しいワカメなので、シンプルな料理です。
- ワカメのみそ汁
- ワカメの刺身
- ワカメとワケギのヌタ
- ワカメとワケギの天麩羅
- メカブ納豆
ワカメとワケギって文字が似ているよね!っていうところがポイント。
年に一回くらい、こんなワカメづくしの食事を食べ続けていきたいな。
採れたてのワカメはうまい
ワカメというと、水で戻して食べる乾燥タイプのものしか普段食べないのだが、海で採ってきてその日のうちに茹でて食べたワカメは、まったく違う歯ごたえ、香りだった。
石立鉄男に食べさせてあげたい。
ところで今回は漁業権が放棄された工場地帯の海でワカメを採った。もうこのあたりはずいぶん前から埋め立てが進んで工場が建ち並び、漁師が仕事としての漁をできるような場所ではないのだが、それでもワカメが生えるような場所が残っていたのが嬉しい。
せめて今後も私が採って遊ぶ分くらいのワカメやノリが茂る海であって欲しいなと思った。ついでにアワビやサザエやウニなんかもモリモリ捕れるようになるともっと嬉しいのだが。