ソフトバンクは11月15日、アルコール検知器との連携機能を搭載した車両管理サービス「スマートフリート」と、アルコール検知器とのセット販売を開始すると発表した。
「GX-AC002」(販売元:加賀電子)
スマートフリートとセットで販売するアルコール検知器は、国家公安委員会が定める「呼気中のアルコールを検知し、その有無または濃度を警告音や警告灯、数値等によって示す機能」の要件を満たす、加賀電子が販売元を務める「GX-AC002」を採用。価格は1台ごとに5478円(税込)。今後、「スマートフリート」と連携が可能なアルコール検知器の機種を順次拡充し、販売していくとしている。
スマートフリートは、スマートフォンのアプリやクラウドプラットフォームを活用して、アルコールチェックや社用車などの車両管理、運行管理が一元的にできるサービス。運転者がスマホとBluetoothで接続したアルコール検知器で呼気を測定すると、専用のクラウドプラットフォームへ測定結果が送信され、管理者はスマートフリートで結果を確認できる。測定結果のデータは1年間保存可能だ。
運行管理機能では、自動車を運転する際に専用のアプリを起動しておくことで、いつ、誰が、どの区間をどれだけの時間走行していたのかという情報を、危険運転の挙動の有無の情報とともに記録。管理者はPCやタブレットで確認できる。自動車の現在位置なども同時に把握可能で、事故発生時にも迅速に対応できるという。データ集計や運行状況のリポート機能も搭載し、使用する自動車の台数の適正化など、業務効率の向上に役立てられるとしている。
スマートフリートのプランは、アルコールチェックと車両管理に対応した「スマートフリート ライトプラン」(1IDごとに月額330円)と、アルコールチェックと車両管理、運行管理に対応した「スマートフリート スタンダードプラン」(1IDごとに月額1100円)の2つを用意。両プランとも、初期導入費用として1テナントあたり1万6500円が別途必要で、価格はいずれも税込。最低利用期間は12カ月に設定されている。
2022年4月に改正道路交通法が施行され、安全運転管理者に対し、目視などによる運転者の酒気帯びの有無の確認(アルコールチェック)と、その内容を記録して1年間保存することが義務付けられた。従来は「緑ナンバー」と呼ばれるバスやタクシー、トラックなどの営業用、事業用の自動車が対象だったが、改正道路交通法では乗車定員が11人以上の自動車を1台以上または、その他の自動車を5台以上使用する事業所においても、アルコールチェックの実施が義務付けられている。そのため、多くの企業や自治体がその対象となった。
また、アルコール検知器を用いたアルコールチェックや、アルコール検知器を常時有効に保持することの義務化についても予定されている。本来であれば10月1日から施行される予定だったが警察庁は9月、世界的な半導体不足の影響によるアルコール検知器の供給不足などを踏まえて、当分の間適用しないことを発表している。