現代人の毎日は忙しくなるばかりだ。私たちは、貴重な時間をもっと生産的に使うために、ToDoリストを作成したり、イフゼン・プランニングで望ましい習慣を取り入れたりと、さまざまな時間術を試す。それでも劇的な成果が上がることはまれだ。その理由を自分のだらしなさや集中力のなさに求める人もいるだろう。だが本書を読むと、それが誤解であることがわかる。
著者は10万本の科学論文を読破した科学ジャーナリストであり、「最高の体調」「科学的な適職」などのベストセラーを上梓してきた鈴木祐氏だ。これまでの著書と同様、本書も、膨大な数の科学データをもとに執筆されている。
鈴木氏によると、関連研究からわかったのは「万人に効果がある時間術は、いまだひとつも見つかっていない」という事実だ。つまりToDoリストもイフゼン・プランニングも、効く人には効くが、効かない人にはまったく効かない。私たちにはそれぞれの「時間感覚」があり、時間感覚にぴったり合った時間術を採用することが重要なのだ。
上司に勧められてToDoリストを取り入れたがうまくいかず、「ToDoリストを使っても仕事が遅いなんて、君がだらしないだけだ」と叱られた――。そんなあなたは決して悪くない。ToDoリストが合わないだけで、ベストな時間術はほかにある。
時間の使い方を改善したい方に、ぜひ本書をおすすめしたい。一生使える時間術が見つかるはずだ。
今回ご紹介した「YOUR TIME(ユア・タイム)」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。